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FIT終了後を保証するLooop、独自の「FITサービス」を展開

太陽光発電所を立ち上げる際、20年後を想定する事業者は少ないかもしれない。しかし、そのときになって国の固定価格買取制度(FIT)の支援がなくなることに気が付いても遅い。Looopは国の制度が終了した後もさらに10年間、独自に電力を買い取る「Looop FIT」サービスを開始した。長期耐久のソーラーパネルと保守管理サービス、Looop自社による電力買取を組み合わせることで実現した。

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 固定価格買取制度(FIT)を利用して太陽光発電所を20年間運営する。では、FITによる買取がなくなる21年目からは、どうすればよいのか。このような不安を覚える事業者が目立つ(図1)。


図1 太陽光発電所に対するアンケート結果 「あなたが『産業用太陽光発電」を導入する上での心配や不安は何ですか。また、その中で特に大きな心配や不安は何ですか」という質問に対する回答。出典:2016年10月Looop実施「非住宅用(産業用)太陽光発電設備設置に関する意識調査」より

 このような不安に応える独自のサービスを2016年11月、Looopが打ち出した。「Looop FIT」である*1)

 20年目までは国の制度に従って、1キロワット時(kWh)当たり固定価格買取制度の買取単価(2016年度は24円)で買い取る。さらに21年目から30年目までは7円以上で買い取る。「当社の『Looopでんき』が買い取る形になります」(Looop担当者)。

 発電所事業者にとっては、売電収入を期待できることはもちろん、21年目以降の10年間、確実な収支計算が可能になり、発電所の運営計画が立てやすくなる。

*1) Looop FITは、経済産業省の定める再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT法)とは関係のないLooop独自のサービス。

長期耐久ソーラーパネル(NEXTOUGH)×O&M(まもるーぷ)×電力サービス(Looopでんき)=Looop FIT

 Looop FITのサービス対象となるのは、地上設置型の太陽光発電所*2)。条件は3つある。

 まずは、Looopの「MY発電所キット」にソーラーパネル「NEXTOUGH(ネクスタフ)」を採用し、新規に発電所を立ち上げること。次にLooopの保守管理(O&M)サービス「まもるーぷ」に加入すること。最後に、Looopでんきと30年間の売電契約を結ぶことだ。

*2) Looop FITサービス開始時には、沖縄電力の管内を除く地域が対象となる。


図2 Looop FITサービスの全体像

 Looop FITサービスにNEXTOUGH(ネクスタフ)とまもるーぷという2つの条件が付いた理由は明確だ。20年目以降も「確実」に発電することである。

 NEXTOUGH(ネクスタフ)は、通常のソーラーパネルと比較して性能劣化が進みにくく、30年目でも当初の80%の出力を保証する(図3)。


図3 NEXTOUGHの30年間リニア出力保証

 NEXTOUGH(ネクスタフ)開発の発端は、100年たっても壊れないソーラーパネルを作るという考え方から始まったのだという(図4)。


図4 NEXTOUGHの外観

 NEXTOUGH(ネクスタフ)の特徴は、発電部分の太陽電池セルを表面と裏面の両方から強化ガラスではさんだ構造を採用し、高い耐環境性能を得たこと。強風や積雪に強く、塩害を受けにくく、高温・低温・高湿度に耐える。高温多湿の状態で高い電圧がかかると出力が低下する「PID現象」を防ぐための封止材も採用した。

 NEXTOUGH(ネクスタフ)の耐雪圧は1万パスカル(Pa)、耐風圧は3600Pだ。これは国際的なIEC規格を大きく上回っている*3)。このような性能を検証するため、IECが定めた基準負荷試験だけではなく、気圧式負荷試験と機械的負荷試験を独自に導入して強度を実証している(図5)。

*3) 耐雪圧は他社比で約200%、耐風圧は他社比約150%と、高い耐荷性を実証している。


図5 NEXTOUGH追加試験の内容

 日本の風土は高温多湿が特徴だ。そこで、IECが定めた試験を超える条件でNEXTOUGH(ネクスタフ)の性能を確認した。

 高温高湿試験ではIECの定めた条件(時間)の6倍に相当する6000時間の検証を終えた段階だ。これは実環境に置き換えると60年に相当する。6000時間後も出力低下率は1〜2.5%にとどまったという。

 −40℃と85℃の状態を繰り返す温度サイクル試験では、IECが定めた条件の6倍、1200サイクルの試験を検証済みだ。2つのテストは現在も継続中で、70年相当の検証も進めている。

20年目以降も着実に発電することを目指す

 NEXTOUGH(ネクスタフ)を採用することで長期間、発電能力を保つことができる。では、太陽光発電所全体の状態を良好に保つには、どうすればよいのだろうか。

 まもるーぷを使う*4)。まもるーぷを導入することで、発電所全体を常時モニタリング。トラブル発生時のアラート機能によって、素早く障害を発見可能だ。駆付けサービスや補償サービスを含むため、不具合が起きたときも素早く発電を再開でき、その間の発電機会の損失にも対応する(図6、図7)。

 寿命が長い部材を利用し、監視・障害対応によって発電所の状態を保つ。このような2本の柱を打ち立てることで、20年目以降のLooop FITサービスが成り立つ形だ。

*4) 出力50kW未満の低圧接続の太陽光発電所を対象とした「まもるーぷ低圧タイプ」の年間料金は、初年度23万円(税別)、2年目以降16万円。Looop FITサービスに加入する場合は、初年度の料金が免除される。なお、高圧発電所は都度見積もり。


図6 パワーコンディショナの定期点検

図7 ソーラーパネルに対する外観目視点検

今から考える未来の太陽光発電

 「当社の理念は『自然エネルギーをあなたのそばに。』です。再生可能エネルギーの普及を支えてきたのは国のFIT制度。Looop FITサービスを始めることで、国の制度が終了した後も太陽光発電所を支えていくことができます。発電量が落ちたり、手入れもされず、放置状態になった太陽光発電所が広がるのではないか、といった懸念に応えた形です」(Looop担当者)。

 2012年の固定価格買取制度の導入以降、太陽光発電設備の導入が急速に進み、2015年末には累計34.4GWにも達した。ソーラーパネは寿命が長いとはいえ、いつか廃棄、リサイクルの問題に直面する。

 例えば2012年に導入した設備が20年後の2033年に大量廃棄されてしまい社会問題にまで発展する可能性がある。このような事態にも備えなければならない。今回のサービスを利用すれば、太陽光発電所の「寿命」が30年に伸びる。「再生可能エネルギーのより一層の普及を促進する立場から、太陽光発電所の寿命延長は国内のエネルギー問題解消に役立つと考えています。Looop FITは既に稼働している発電所や住宅用にも広げていきます」(Looop担当者)。廃棄やリサイクルに向かう部材を減らすという意味もあるという。

 国全体の再生可能エネルギーを考えたとき、Looop FITサービスにはもう1つ意味があるのだという。

 電力供給に占める再生可能エネルギー電源の比率を高めることだ。Looopでんきは、家庭や事業所などに電力を小売りしている。同社は電力に占める再生可能エネルギー電源の量を増やそうと、さまざまな取り組みを進めてきた。

 Looop FITが普及することで、太陽光発電所からより多くの電力を得ることができ、グリーンな電力を家庭に供給できる。Looop FITは再生可能エネルギーの電源開発としても役立つ。太陽光発電システムの部材開発から調達、設計、電力小売までを一貫して提供するLooopならではのサービスだといえるだろう。

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***


提供:株式会社Looop
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2016年12月15日

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