太陽光発電所はメンテナンスフリーではない。発電性能を最大限に発揮するには、パワーコンディショナーをはじめとする装置の状態を監視し、故障に応じて即座に対応する必要がある。天災や人災にも備えたい。20年間の発電をたしかな収入にかえるLooopのサービス「まもるーぷ」の特徴を紹介する。
太陽光発電所を20年間、安定して動かすにはどうすればよいか。手間をかけずに安定させるには、発電所の運転状況を常に遠隔監視し、いざというときに障害対応を受けられるようなサービスを利用することが早道だろう。
さまざまな監視サービス、保守管理サービスから、どのような基準で選び出せばよいのか。Looop事業本部O&M事業部で部長を務める末永展行氏は、同社が提供するサービス「まもるーぷ」の利点を3つ挙げ、安定運用に必要なサービスの姿を示した。
必要なサービスがまとまっていること、多くの実績があり迅速にサービスを提供できること、コストパフォーマンスが高いことだという。
安定運用に必要な第一の条件は、発電状況などの監視(図1)と発電所の保守管理、損害保険を組み合わせることだという。監視と保守管理を合わせて提供するサービス企業は多いものの、まもるーぷのように損害保険を含むサービスはまだまだ数少ないのだという。
日本は自然災害が多く、太陽光発電所に影響を与える台風や雷に備えるには、損害保険が必要だという。「雷が太陽光発電所を直撃しなかった場合でも、誘導雷が電源線を伝わってくることがある。その結果、パワーコンディショナーが故障したり、監視機能に必要な通信ボードのみが動かなくなる例が少なくない」(末永氏)。
まもるーぷのサービスでは、自然災害によるパワーコンディショナーの故障などによって発電(売電)ができなくなった場合の売電利益の逸失リスクもカバーしている。「広範囲に及ぶ雷などでは、地域にある多数のパワーコンディショナーが故障する場合もある。パワーコンディショナーのメーカーは修理対応の期限を設けていないため、1カ月程度発電が停止する場合も考えられる。このような場合をカバーできるのがまもるーぷの特徴だ」(同氏)。落雷による修理は通常、有償対応だが、これも損害補償でカバーできる。
Looopは、三井住友海上火災保険株式会社の損害保険代理店で、提供する損害保険では、故障以外にも外部の物体の落下などによって起こった損傷(図2)や窃盗、太陽光発電所の管理上の不備によって第三者へ賠償責任が生じた場合をカバーできるという。例外は地震と地震によって生じた津波などによる被害だ。
第二の条件は、いざというときの素早いサービス提供だ。
Looopは1300カ所以上の「MY発電所キット」を販売し、遠隔監視システム「みえるーぷ」を1500以上販売している。「数字から分かるようにMY発電所キット以外のユーザーも多い。数多くのユーザーに保守管理サービスを提供するため、サーバの保守管理などを得意とする大手IT企業と提携した。全国386拠点、約4000人のカスタマーエンジニアが24時間365日まもるーぷのサービスに協力する。みえるーぷが異常を検知すると、必要に応じてエンジニアが半日以内に対応する」(同氏)。
午前中に異常を検知し、サービスを受け付けたときには午後に一次対応し、午後であれば翌日の午前中には駆け付ける。
「系統の瞬停などによって、パワーコンディショナーのブレーカーが落ちた場合などは、一次対応で作業が完了する。測定器を使った調査などが必要になった場合は、受付後3営業日程度で障害二次対応に入る」(同氏)。
障害一次対応と障害二次対応の他に、年1回のオンサイトサービスもまもるーぷに含まれている。「高圧接続の場合、電気主任技術者による法定点検では、系統からキュービクルまでが範囲だ。まもるーぷの定期点検は、それ以外の部分、パワーコンディショナーから太陽電池まで、実際に発電している部分の性能低下や異常を確認する」(同氏)。定期点検の様子を図3に示す。
第三の条件は高いコストパフォーマンス。サービス内容に見合う料金を見極める必要がある。
「監視サービスを提供する『みえるーぷ』の料金は、本体価格24万8000円と、年間サービス料金2万5000円のみ。3Gの通信料金もここに含まれている。他社のサービスと比較すると、抜き出ていることが分かる。実際に、みえるーぷを月間100台以上販売しており、問い合わせはそれ以上ある」(同氏)。
まもるーぷのサービスはみえるーぷを用いた監視と、保守管理、損害保険の3本柱からなる。その場合の参考価格を図4に示す。灰色の年間費用は個別のサービスをバラバラに契約した場合の金額だ。
費用は50kW以上の高圧接続と、それ未満の低圧接続によって異なる。高圧接続では、みえるーぷ本体と年間サービス利用料を無償提供しており、出力に応じた料金体系になっている。「損害保険は地域ごとに料率が異なるため、発電所の設置条件によって、図4とは価格が異なる場合がある。個別の見積もりが必要だ」(同氏)。
まもるーぷでは図4にあるようなフルサービスだけでなく、年間費用を削減するために、一部のサービスを除外することもできる。コストダウンを望むユーザー以外にも、故障が起こりにくい導入初期にはサービスを限定し、後ほどフルサービスを望むユーザーに向けた。
初年度に選ばなかったサービスを2年目から追加したり、外すことも可能だ。「例えば、損害保険のみをユーザーが他企業に依頼する場合がある。しかし実際には高圧接続の場合、2年目以降にサービスを外すユーザーはいない。当社のトータルサービスが評価されているのだろう」(同氏)。
低圧接続の場合は、サービスを限定してコストダウンする効果が大きい。例えば、保守管理サービスのうち、監視のみを選ぶことが可能だ。
まもるーぷの導入を検討する際、最初に考慮しなければならないのは、パワーコンディショナーのメーカーだ。「みえるーぷはパワーコンディショナーと直接通信してデータを取得する。このため、指定のメーカー以外では利用できない。今後、要望の多いメーカーから順次対応機種を広げていきたい」(同氏)。
まもるーぷが対応するのは、田淵電機と安川電機、新電元工業、オムロン、Looop、Sungrow、東芝三菱電機産業システム(Wave Energy製を含む)、日立製作所、日新電機のパワーコンディショナーだ。問い合わせ前にまず、型番を調べて欲しいという。
次は、太陽光発電所の規模だ。「1台のみえるーぷが対応できるのは20台までのパワーコンディショナーだ。50kWの発電所を多数展開しているような場合など、監視対象のパワーコンディショナーの台数が20台を超える場合には、複数台のみえるーぷを設置する必要がある」(同氏)。
最後に太陽光発電所の設置場所によって制限を受ける場合がある。「みえるーぷは3G通信を利用するため、地域によっては、まれに3G通信のカバー範囲外となることがある」(同氏)。
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提供:株式会社Looop
アイティメディア営業企画/制作:スマートジャパン 編集部/掲載内容有効期限:2015年12月24日