ナビタイム ジャパンは、「CEATEC JAPAN 2012」(2012年10月2〜6日、幕張メッセ)において、HTML5対応のWebブラウザを使ってナビゲーション画面を表示する通信型カーナビゲーションシステム(通信カーナビ)の研究開発成果を披露した。
展示では、GoogleのAndroidタブレット端末「Nexus 7」を使って、Webブラウザの「Chrome」上でナビタイムの地図サーバから配信される地図を読み込み、自車位置やスポット情報などの表示とルート案内を行うデモンストレーションを見せた。現時点で最先端のプロセッサと言っていいNVIDIAの「Tegra 3」を搭載するNexus 7で、どの程度の速度で表示できるのかを確認できる。
ナビタイムの説明員によれば、「Tegra 3ほどの処理能力があっても、HTML5でナビゲーション画面を表示する速度は、自動車メーカーの要望にはまだ2〜3歩及ばない」という。
地図をローカル環境に保持する既存のカーナビや、スマートフォンのアプリとして提供されているカーナビサービスの場合、それぞれのプラットフォームに合わせた開発が必要になる上に、運用コストも各プラットフォームで別々に必要になる。
HTML5ベースの通信カーナビは、HTML5対応のWebブラウザが実行環境になるので、AndroidやiOS、Windowsといったプラットフォームに依存せずに、カーナビゲーションサービスを提供できる。このため、それぞれのプラットフォームに費やしていた開発や運用のためのコストを集約して、削減できるというメリットがある。
さらに、Webブラウザを使用していることもあって、カーナビゲーション以外のWebサービスとの連携も容易になるという。
今後は、さまざまなWebブラウザを使った評価を進め、汎用性の確保を目指す。自車位置演算や音声案内といった、カーナビに必要な機能の性能検証も進める方針。
ナビタイムでは、「自動車メーカーやカーナビメーカーは、カーナビという製品の陳腐化を憂慮しており、Webサービスとの連携を容易に実現できる、Webブラウザベースのカーナビの開発が必要になると考えている。当社も、2015〜2016年ごろには、HTML5を活用したWebブラウザベースのカーナビが登場するのではないかと考え、研究開発を進めているところだ」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング