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Microsoft、自社ブランドのスマートフォンを2011年に投入か?

» 2010年02月23日 13時18分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、GoogleブランドのスマートフォンNexus Oneに対抗する新製品を2011年に投入するかもしれない――。Microsoftブランドのスマートフォンの可能性について同社のサプライヤーや設計パートナーから話を聞いたという、Northeast Securitiesのアナリストはそう語っている。

 TheStreet.comなどのニュースサイトがアナリストのアショク・クマー氏の話として報じているところによると、台湾ASUSTek Computerが製造するMicrosoftブランドのスマートフォンが2011年の早い時期に投入される可能性があるという。そしてこの端末にはおそらく、Microsoftが2月15日、スペイン・バルセロナで開催のMobile World Congressで発表した新しいスマートフォンOS「Windows Phone 7」が搭載される見通しという。

 Microsoftブランドのスマートフォンをめぐるうわさはかなり前から流れており、Googleなどの競合他社が自社ブランドの端末を投入する前からささやかれてきた。2009年9月には、Microsoftが自社ブランドのスマートフォン2種を2010年初頭に投入するとのうわさが持ち上がり、わたしはMicrosoftに問い合わせたが、コメントを断られ、結局、そのうわさは実現しなかった。そのさらに前の2009年4月には、MicrosoftがコードネームでPinkと呼ばれるスマートフォンをVerizonと共同で開発中とのうわさが持ち上がったが、「携帯電話のハードウェア事業に参入する予定はない」と同社はそっけなく否定している。

 Microsoftブランドのスマートフォンをめぐるうわさは、同社が何かしら正式発表を行うまで途絶えることはないだろう。だがその一方で、同社には、モバイル分野で対処すべきもっとはるかに差し迫った問題があるはずだ。まず同社は、Google Androidなどの競合スマートフォンの人気が高まりつつあるなかでも、Windows Phone 7 Series向けの開発には価値があるということを開発者に納得させる必要がある。またWindows Phone 7 Seriesは消費者の使い勝手を重視したOSとされているが、ビジネスのニーズにも応えられるものであるということを大規模企業や中小規模企業に納得させる必要がある。そしてもう1つ、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが語ったように、新OS搭載の携帯端末を2010年のホリデーシーズンまでに店頭に並べられるよう、同社は製造メーカーと協力して作業を進めていく必要がある。

 どんな企業にとってもこれは難しい注文であり、それはMicrosoftのように大きな企業にとっても同じことだ。モバイル分野における将来を考えれば、Microsoftは自社ブランドのスマートフォンの投入にエネルギーを注ぐよりも先にまずこうした目標にフォーカスするしかないはずだ。

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