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Google、Grouponを「50億〜60億ドル」で買収か?

» 2010年12月01日 15時07分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 GoogleがGrouponを買収するといううわさが駆けめぐっている。

 わたしは11月29日に、GoogleのGrouponへの提示額を25億ドルとするVator Newsの記事を取り上げた

 現在AllThings DigitalとNew York Timesは、買収額は50億〜60億ドルという驚異的な額だと伝えている

 驚異的という言葉にはここでは重要な意味がある。Grouponの評価額がおよそ10億ドルだからだ(訳注:2010年4月時の評価額)。Grouponが大したエンターテインメントやユーティリティを提供しているわけでもないのに、評価額に5〜6倍のプレミアムを載せるのは驚きだ。

 確かな数字は分からないが、Grouponの売上高は推定で年間3億〜5億ドル。この金額から考えると、Googleのプレミアムはさらに大きい。

 わたしは1週間前にコネチカット州フェアフィールド郡に地域を設定して、Grouponに登録してみた。

 割引情報のメールは1日に1〜2通送られてくる。レストランのシーフード料理の割引から、40ドル相当の書籍を20ドルで買えるクーポンまでさまざまだ。

 しかも、女性向けの衣料の割引情報もかなり送られてくる。だから妻にはGrouponのことを隠している。もっとも今年のクリスマスの買い物には、このようなクーポンを実際に使うかもしれないが。

 割引情報はFacebook、Twitter、電子メールで友人と共有し、人に勧めてさらに節約ができる。

 だが、それだけだ。誰かに電話したり、友人とのネットワークを作ったり、Webコンテンツを検索することはできない。Grouponはクールではあるが、非常に一次元的だ。だから50億〜60億ドルという金額が、わたしにはクレイジーに思える。

 新たなバブルへようこそ、ということか。GoogleはGrouponの電子商取引データを地域情報検索や広告資産の強化に利用し、ソーシャル指向のホットなサイトの所有に向けて大きく前進できる。地域情報サービス責任者マリッサ・メイヤー氏に新しいおもちゃを与えることは確かだろう。

 以前調べたときには、Googleは銀行に330億ドル程度の現金を保有していた。彼らのお金がすっかりなくなることはなさそうだ。だが、10億ドルの会社を幾つか買うか、Twitter買収を追求する方がよかった。

 これだけのプレミアムを払って、Googleがやろうとしているのは、去年のこの時期に(レストランレビューサイトの)Yelp買収に失敗したように、Groupon買収失敗で2010年を終えるのを避けることなのかもしれない。

 Googleは31億ドルでDoubleClickを買収し、ついにその成果が結実しつつあるところだ。同社はディスプレイ広告で25億ドルを稼いでいる。

 同社は2007年に、YouTubeに16億5000万ドルを払った。これが同社の最高の取引であることが、いつか証明されるとわたしは確信している。YouTubeも、Googleのディスプレイ広告を掲載している。Google TVのYouTube LeanBackはテレビCMへの道を開き、有力な広告媒体となり得る。

 買収が成立した場合、GrouponがGoogleのために何ができるのかは非常に興味深い。2004年にDoubleClickに、2007年にGoogleに買収されたPerformics(2009年にGoogleに買収に売却された)の創設者の1人、ジェフ・モランダー氏は次のように語る。

 「Grouponは今日のRestaurant.comだ――起業家的な感性はないが。Restaurant.comは、Grouponと似た『25ドル分の食事券を3ドルで販売する』モデルでレストラン市場を焼き尽くした。だが彼らは、自分たちのサービスを利用する小規模ビジネスのオーナーが簡単な計算を解いたときにそれをやめた。顧客の採算性に目を向けたのだ。Restaurant.comのモデルは、店舗の参加を維持するのに十分ではなかった」

 皆さんはGoogleに買収のGroupon買収をどうお考えだろうか。賛成だろうか、反対だろうか。

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