Mozilla JapanがFirefox2.0の発表会を開催。Microsoftのブラウザ独占を切り崩し、Webブラウザ業界にイノベーションをもたらしたと話した。今後はWeb2.0の“柱”となることを目指す。
「Firefoxがなければ、おそらくIE7なんてなくて、IE6.5とかがVistaに入っていたのではないか。Microsoftが動いたということだけでも、(イノベーションを起こすという)我々のミッションにとっては成功の一歩だった」
Mozilla Japanは10月17日Firefox2.0の事前発表会を開催し、伊藤穰一理事がこのように話した。Internet Explorerのシェアを短期間で切り崩したFirefox。これに対し、動いたMicrosoftはIE7を開発し、迎え撃つFirefoxも2.0を用意したという構図だ。
2004年11月に登場したFirefoxは急速にシェアを伸ばし、「Webトラフィックベースのシェアは16%を超えた」とMozilla Corporationのジョン・リリーCOO。日本でも、2005年に3.6%だったシェアが、2006年には8.9%と2倍以上に拡大した。
シェアを拡大することで、停滞気味だったWebブラウザに競争をもたらし、ひいてはイノベーションを起こすというのがFirefoxの役割だ。伊藤氏は「MS的なイノベーションのプロセスと、オープンソース的なイノベーションの競争における初めての実験」だともしている。
ブラウザを1社に独占させないというミッションをクリアし、1つのマイルストーンをクリアしたFirefox。では次のミッションは何なのか。
「Web1.0の頃を思い起こすと、小さなグループが競争を重ねることでイノベーションが起きた。ところが、(ネット)バブル1.0がやってきて、プレーヤーはみな大企業になった。いっしょにフォーマットを決めるんじゃなくて、ユーザーや顧客を囲い込もうとした。これがWebの発展に対してダメージとなった。だがバブルの崩壊後変わって、ブログなどではフォーマットを決めて協業しながら競争しようという体制になってきている。現在は(ネット)バブル2.0が起きている最中。Firefoxは、Web2.0が腐らないための柱になっていけるのではないか」
タブ機能やRSSリーダー機能、セキュリティ機能の追加など、前バージョンに比べ大幅な機能強化が図られるIE7に比べると、Firefox2.0の進化は既存機能の熟成に近いかもしれない。タブやRSSといった目立つ機能の有無については、IEとFirefoxが並ぶ形だ。
Firefox2.0の主な機能アップは以下の通り(7月13日の記事参照)。
なおFirefox2.0は16日、リリース候補第3版(RC3)がリリースされている(10月17日の記事参照)。正式版は追って発表となる予定だ。
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