第3回 目標実現のリハーサル。そして絶対あきらめない目標を実現するための7つのステップ(2/2 ページ)

» 2007年04月20日 16時12分 公開
[平本相武(構成:房野麻子),ITmedia]
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ステップ5──情熱を湧き起こす

 ステップ5では、宣言します。つまり「言っている」を実行するということです。できるかどうか、どうしたらできるかは、この際考えずに、「何を実現したい」「なぜ実現させたい」「いつまでに実現させたい」を、5人に宣言しましょう。メールで伝えてもいいのですが、せめて3人には実際に口で宣言してもらいたいですね。メールで宣言するなら、10人には送ってほしい。そしてできるだけ返事をもらってください。

 宣言すると、聞いた人が応援してくれることがあるのです。また、その人たちが後から情報をくれることがあります。「投資、いいのあるよ!」というように。仲間もできますが、まず何より自分がちょっと忘れそうになっても、思い出させてくれるのがいいことです。そういうこともあるので、ただ宣言する以上の効果があるのです。

ステップ6──やりたくてたまらない行動

 ステップ6では、今すぐできる小さな行動をできるだけいっぱい挙げていきます。考える際には、どんな知識、どんな能力、どんなスキル、情報、資金、もの、仲間、協力者、応援してくれる人など、どういうリソースが必要かを考えます。また、自分にできそうなことは何かを考える。さらにちょっと自分を脇においておいて、それをうまくやっている人だったら、どういうことをやっていそうかを考えます。そして、実際に行動してできなくて困ったら、「先延ばし根絶の5ステップ」をやってください。

 まず、目標を実現するために必要な行動をブレストして書き出します。20〜30個は出してみてください。インターネットで調べる、本を買う、出版社に声をかける、いろいろありますね。数を稼ぐのに、斎藤さんに相談する、田中さんに相談する、山本さんに相談する、木村さんにメールをするなど、相談する人の名前を挙げていってもいいです。

 いっぱい出して、次はその中から1つ、することを選んでほしいのです。どういうのを選ぶかというと、今日中に自分にできる具体的なことです。本屋に寄るとか、本を1冊買うとか、アマゾンで注文するとか、平本さんに言われた○○をチェックするとか、できるだけ小さいことにします。3分とか1分でできることでいいのです。そして、今日中にできるものでなくてはダメです。明日というとまた延び延びになってしまうので、必ず今日できることにしてください。大きすぎるようだったら、それを細分化します。自分にできることじゃなきゃダメです。今日中に誰かに頼むことでもOKです。それも自分でできることに入ります。「今日中に部下にあれを調べておいてもらう」「今日中に奥さんにあれを見ておいてもらう」でもいいですから、今日中に自分でできる具体的な行動を1つ選んでください。

平本 何をしますか?

房野 Mさんに相談する……メールかなあ。

平本 今日中にできますか?

房野 はい。

斎藤 投資するために、どこかの業界に詳しくなろうと思っているんです。で、その系統の本で昔買ったのが、たぶん机のどこかにあったと思うので、それを見つけ出す。

平本 いいですね。それくらいにしてほしいんです。読む、というと読まないことが多いので、見つけ出す、くらいがいいですね。見つけるくらいだったらできますね。

斎藤 見つけるのはできると思います。

平本 その本を見つけたとして、「やっぱり違う」と思ったらまた違う行動をしますし、「これだ」と思って読みたかったら読めばいいのです。明日ではダメですよ。今日、見つけるだけ、メールするだけ、といった何気ないちょっとした行動から一気に物事がパッと始まります。


ステップ7──絶対にあきらめない!

 最後に、ステップ7「絶対にあきらめない」。毎日ちょっとずつでいいので、必ず行動してください。うまくいっていること、うまくいっていないことを見極めて、うまく行っているものはさらに続けるし、うまくいかないものはどんどんやめていって、実現するまでアプローチを変え続けます。

 赤ちゃんは歩けるようになるまで何回失敗するでしょうか。2、3回立とうとして立てないから「もう無理だよ、歩くのは」といって、諦めるなんてことはありませんね。何回でも何回でも失敗する。なぜかというと、立てるまで諦めないからです。赤ちゃんだったら何百回、何千回、何万回でも諦めないのに、なぜ大人は5、6回やっただけであきらめるのでしょうか。絶対あきらめないことです。諦めてしまいそうになったときは常にコングルエントの輪をチェックして、本当にこの目標でよかったのかをチェックしてください。目標自体を変える必要があるときもあります。もしくは、自分のセルフイメージを変えたり、価値観を変えたりして柔軟に対応しつつ、絶対に諦めないことが大事です。

 ケンタッキーフライドチキンを作ったカーネルサンダースは、自分がおいしいと思うフライドチキンのレシピを売り歩きました。レシピをただで教えるから、売り上げからマージンをもらう、と。でも、ずっと断られ続けました。2年間くらい、全米をクルマで旅して回って、1009件断られたそうです。1000件以上断られ続けた。それでもめげずにやり続けたから、今、あんなふうに大繁盛しています。普通の人は1000件以上やらないですね。たぶん、1000件でいったん区切るでしょう。それでも区切らなかった。そもそも大抵は1000件もいかない。4、5件で諦めてしまいます。

 映画俳優のシルベスタ・スタローンは、オーディションや事務所の面接を200回以上も受けたけれど、映画俳優になることを断られ続けたそうです。奥さんに普通の仕事をしたら、と言われたら、「普通の仕事をしたら映画俳優になる気持ちが萎えてしまうから絶対イヤだ」といって、結局、奥さんに逃げられた。お金がなくなって電気も止められて、冬、あまりにも寒い。暖かいからという理由でニューヨーク図書館に行って本を読んでいたら、あの「ロッキー」のアイデアが生まれた。あの脚本は彼が書いたんです。

 最初、数千万円でこれを買い取るといわれたけれど、「俺が主演する」といったら、「お前が主演するなら買わない」といわれ、どんどん値を下げられた。でも「自分は脚本家になるんじゃなくて、映画俳優。だから俺が出る」といって、結局数十分の1まで買い叩かれて、それで、「ロッキー」ができたのです。

 ウォルト・ディズニーも、「オレンジ畑に遊園地を作る」といって二百何十件と銀行の融資を断られたけれど、絶対作るといってやり続けました。

 最後までやり続けることが大事です。

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ピークパフォーマンス 代表取締役

平本相武(ひらもと あきお)

 1965年神戸生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了(専門は臨床心理)。アドラースクール・オブ・プロフェッショナルサイコロジー(シカゴ/米国)カウンセリング心理学修士課程修了。人の中に眠っている潜在能力を短時間で最大限に引き出す独自の方法論を平本メソッドとして体系化。人生を大きく変えるインパクトを持つとして、アスリート、アーチスト、エグゼクティブ、ビジネスパーソン、学生など幅広い層から圧倒的な支持を集めている。最新著書は「成功するのに目標はいらない!」。コミュニケーションやピークパフォーマンスに関するセミナーはこちらから。


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