レビュー
» 2007年07月02日 16時56分 UPDATE

5分で読むビジネス書:自分流の成功法則を見いだす──『成功するのに目標はいらない!」

「目標」がない人の人生はダメか? 人の行動には「価値観型」と「ビジョン型」の2つがあり、必ずしも目標が必須ではないと筆者は説く。

[大橋悦夫,ITmedia]
表紙

平本相武 「成功するのに目標はいらない!人生を劇的に変える『自分軸』の見つけ方」(こう書房刊)

 価値観型は日々の生活で、自分の価値観がより満たされる行動をとる。ビジョン型は、向かいたいビジョンに近づく行動をとります。だからやるかやらないかの判断をするときにも、価値観型はそれをすることで価値観が満たされるかどうかを基準にし、ビジョン型はビジョンに近づくかどうかを基準にします。(p.208)


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 本書は、Biz.IDでも連載を持つ平本相武氏の新刊。タイトルの通り、目標に代わる「自分軸」を活用して、成功に近づくための方法が豊富な事例とともに解説されている。

 著者によると、行動の動機づけには「価値観型」と「ビジョン型」の2つがあるという。それぞれの違いについては、冒頭の引用部分の通り。この動機づけのパターンを著者は「自分軸」と呼んでおり、これがブレさえしなければ、ビジョンの実現でも価値観を満たし続けることでも、「人生の成功」を手にできるとしている。例えば、次のような事例を挙げている。

  • お笑い芸人を目指していた人は、日本で最も陽気で楽しい添乗員となってツアー客を楽しませる
  • 探検家になりたかった人は、商社マンとなって世界中を飛び回る
  • 歌舞伎役者の妻を夢見ていたある女性は、尊敬するベンチャー企業の社長秘書となる

 このように、別の形であっても「自分軸」に沿った形であれば、それは、失敗ではないというわけだ。

 そして、「自分軸」という概念は、本書を通じて新たに学ぶものではなく、すでに自分の中にあるものだ。ただ、普段はなかなか意識しないためにその存在に気づかない。それゆえ、本書を読むことで、意識の下に沈み込んでいる「自分軸」を引き上げることができるはずだ。

 先に述べたように、「自分軸」には価値観型とビジョン型の2種類があり、自分がどちらなのかを把握することが先決となる。その判定方法も紹介されているが、読み進めるうちにそれぞれのタイプごとに「あ、これは自分のことだ」という事例が見つかるだろう。この事例に付されている解説を読むことで、「しっくり感」を覚えるはずだ。つまり、2つのタイプそれぞれについて、「ピンと来る」書き方になっている。

BOOK DATA
タイトル: 成功するのに目標はいらない!
著者: 平本相武
出版元: こう書房
価格: 1360円
読書環境: △書斎でじっくり
◎カフェでまったり
×通勤でさらっと
こんな人にお勧め: 日々の生活や仕事に「しっくり感」が薄いと感じている人。

 そうなると、例えば自分が価値観型だと分かった場合には、ビジョン型向けに書かれた内容は読み飛ばしたくなるかもしれない。しかし、自分とは異なるタイプについて知っておくことは、そのタイプの人とコミュニケーションをとるうえで役に立つ。これについては、本書の後半で紹介されている、平本氏のセミナー受講者の声が参考になる。

  • 「目標が立てられない」「目標は苦手」という部下が多く、情けないと思っていました。でも、「価値観型」という考え方を知ってから、彼らの価値観を聞いてアプローチしていくと、やる気になって成果を上げるようになりました。
  • 「目標なんてないよ」と言いながらいつも営業成績のいい同僚。そんなわけないと思っていたけど、彼の「秘訣」がわかりました。

 自分をより深く知ると同時に、身近にいる人を理解したいと思った時、本書は良い手引き書となるだろう。

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