デザインできなくても作れる――デザイナーを経て「NENPYO」を作り上げたdaiskipさんひとりで作るネットサービス(1/3 ページ)

自分の年表を作り上げていくことができるWebサービス「NENPYO」。このサービスを作ったdaiskipさんは、実は元々デザイナーだった。デザイン要素をなるべく省いたNENPYOで「デザインができなくても作れることを示したかった」という。

» 2009年10月27日 11時00分 公開
[田口元,Business Media 誠]

 ひとりで作るネットサービス第44回は、粛々と自分の年表を作り上げていくことができるWebサービス「NENPYO」を作ったdaiskipこと福田大介さん(36)を取り上げる。広告代理店の営業職からデザイナー、そしてプログラマーへと、自分がやりたいことを実現するためのスキルを次々に身につけてきた福田さん。彼が目指す世界とはどういったものだろうか。

Hello World――その先を見せたのは家入さん

 「3回ぐらい挫折しましたね。本を買ってきて“Hello World”を表示させてはみるのですが、その先に進めていっても僕のやりたいことじゃなかったんです」。福田さんはプログラミングを学ぼうとしていたときの経験をそう話す。デザイナーとして仕事をしていたが、自分でもWebサービスを作ってみたいと思っていた。ただ、何度か挑戦してみても、どうにも上手くいかなかった。

 「職場にはエンジニアがたくさんいます。でも、『一から教えて』と頼むのも申し訳ないですよね……」。しかしある日、転機が訪れた。それは社内で開催した開発合宿だった。「1泊2日の合宿だったのですが、そこでエンジニアでもある当社(paperboy&co.)の家入(一真代表取締役CCO:最高クリエイティブ責任者)と企画の女性と僕の3人でWebサービスを作ることになったのです。僕はデザイナーとして参加しました」。

 その合宿で福田さんは家入さんが書き上げていくソースコードに直接触れることができた。自分が作りたいと思っているWebサービスはこういうコードで作られているのか……。技術書を読み解いて自分で勉強していたときには分からなかったことを、霧が晴れるように次々に理解していくことができた。データベースからどうやってデータを引っ張ってくるのか、それをどう表示するのか、ユーザー管理はどうやって行っているのか、そうしたことすべてを読み解くことができた。

 「あとは自分でテスト用のデータベースを作り、そこに接続しては好きなようにコードを書き換えていきました。その経験があるからこそ今のサービスが作れているんだと思います」。デザイナーをしていてもプログラミングを学びたいという人は多い。そうした人たちには「まずなんでもいいので実際に動いているソースコードに触れてみるのが近道」と福田さんはアドバイスする。

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