次は、「あり得ないこと」「無謀なこと」を使ったボケです。
「野呂くんって、夢は何なの?」
「僕ですか? いやーもし生まれ変わったらEXILEに入りたいですね」
「踊るのかよ!」
もちろん、誰が見ても90キロを越えている僕がEXILEで踊っている姿は想像できないでしょう。だからこそ、間髪入れず、さも当たり前のような口調で「EXILEに入りたい」と切り返すボケがおもしろくなります。
最後は、「変なもの」「流行りもの」にたとえるボケです。
「あの部長、いちいちトゲがあるよな。なかなかOK出さないし」
「まるで『ドSのあまちゃん』ですよね」
「よく分かんねえよ!」
「みんな、アイデアもそろそろ出尽くしたかなあ」
「いやあ、もはや蜜の出なくなった壇蜜みたいなもんですね」
「壇蜜は蜜出さねえだろ!」
「私、誰かに似てるって言われるんです。誰だと思います?」
「うーんそうだな、森三中のなかから選ぶとすると……」
「ちょっと待って。なんでそこから選ぶんですか!」
「野呂さん、今何時でしたっけ?」
「ああ、グリニッジ標準時だと午前6時45分ですよ」
「面倒くさいですよ!」
「いやあ野呂さん、今日のファッション決まってますねー」
「あはは、58番目のAKBって言われますよ」「1票も取れないでしょ!」
韻を踏んだり、ダジャレを取り入れたりしてみる。流行のタレントやグッズにたとえてみる。たとえる世界をいきなり広げたり、狭めたりしてみる……などなど、小ワザはいくらでもあります。
ただしマニアックすぎるものには走らず、みんなが知っている共通言語にとどめておくのが無難です。そうしないと、知らない人が白けてしまいます。災害や宗教、人種、戦争などにたとえるのもマナーとしてNGです。
的確にとらえなければならない必要はありません。堅苦しさをなくして会話がおもしろくなれば、あなたの勝ちです。
おもしろい人は、つっこまれてなんぼだと僕は思います。「そんなの分かっているよ」というレベルまで下がることを恐れないこと。どこまで相手をおもしろがらせるためにボケられるか、それが話を盛り上げるポイントです。
「ボケ」が相手の心を開く。連想ゲームの要領でどんどんボケてみよう!
野呂エイシロウ(のろ・えいしろう)
1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。放送作家・戦略的PRコンサルタント。
学生時代に「現役の学生」を武器に、電機メーカー、広告代理店との会議に参加。学生向け家電企画の立案、宣伝、PRに携わる。その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などに携わる。放送作家としての「番組をおもしろくするネタづくりのノウハウ」を生かし、30歳のときから“戦略的PRコンサルタント”としての仕事をスタート。
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