“報告のために、帰社します”――そろそろ、やめにしませんか?解決!! IT四銃士

取引先との打ち合わせが終わったあと、事務処理や報告のためだけに会社に戻っていませんか? この時間のムダを解決すると、業務がスピードアップするだけでなく顧客からの信頼度もアップするのです。

» 2014年06月09日 11時00分 公開
[IT導入相談室]

IT四銃士とは

仕事現場のお悩み解決は、コンサル経験豊富な「IT四銃士」におまかせ! グループウェア、ドキュメント管理、電子承認システム、複合機、IT機器、スマートデバイス、システム構築のプロフェッショナル4人+隊長が、中小企業の問題を解決します。

この記事は、「IT導入相談室」のコンテンツ「いつでもどこでも仕事ができる」を一部抜粋・編集して掲載しています。


四銃士と隊長のプロフィール

Photo 左からダルタニアン(高橋直子)、アトス(小室孝雄)、ポルトス(山根昭利)、アラミス(成澤健)、トレヴィル(山口大樹)

ダルタニアン(高橋直子)

得意分野は情報系システムや文書管理、グループウェア。

アトス(小室孝雄)

情報セキュリティ分野に精通

ポルトス(山根昭利)

BEMS(エネルギー管理システム)構築が最大の武器

アラミス(成澤健)

基幹システムやインフラ環境に強み

トレヴィル(山口大樹)

行き詰まった時こそ最適解への扉、という信条を持つ中小企業診断士


 事務処理のためだけに外出先から帰社しなければならない――。多くの経営者が、「こんなムダはなくしたい」と考えていることでしょう。でも、社員の顔を見ながらコミュニケーションすることを大切にする会社であればあるほど、“一度帰社する”というプロセスを否定するのが難しいのではないでしょうか。

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 仮に、業務の効率やムダの排除を優先して、営業先からの直帰を許したとしても、課題は残ります。報告は翌日になり、業務にスピード感がなくなる可能性もでてきます。

 このような問題を感じている経営者から寄せられた相談は、円滑なコミュニケーションを維持しながら業務効率をアップしたい、というものでした。

 お悩み解決に立ち上がった四銃士からは、いろいろな施策が提案されましたが、共通するのは、クラウドサービスとモバイル環境の利用を前提に、これまでのビジネスプロセスを組み替えて、「いつでもどこでも仕事ができる」環境を作り上げることでした。

リアルな会議を減らしつつ、円滑なコミュニケーションを図るには


アトス:経営者の中には、社員とのコミュニケーションを大切にするあまり、朝晩、社員の顔を見ることが大事だと思っている会社も多いよな。



ポルトス:社員にしても、日報作成や上司への進ちょく報告など、その日のうちにやらなければならないことがあったら、会社に戻ることになるね。



ダルタニアン:でも、帰社する理由の多くは、今ならモバイルやWebサービスを使って解決できるのではないかしら。特に「グループウェア」は、この問題の解決に威力を発揮すると思うわ。


 日々、営業職が社内で行っている業務の多くは、報告とスケジュールの調整、共有ではないでしょうか。報告業務の遅れはそのままビジネスのスピードを鈍らせることになります。例えば、営業スタッフが午前中に受注した案件を、夜、会社に戻ってから報告書にまとめるとしたらどうでしょう。会社として営業が受注した業務を動かし始めるのは翌日からになってしまいます。

 しかし、外出先で受注したその場で受注処理行えるとしたら、その日のうちにバックオフィスでの処理が完了します。そうすればスピードアップが実現し、納品時には1日以上の違いとなってでてくるかもしれません。逆に、スタートが1時間遅れたら、プロセスの段階ごとに遅れが生じ、最終的には、「時間」どころか「日」単位の遅れとなってくる可能性すらあります。

業務効率アップを目指すならモバイルの活用を考えたい


アラミス:業務効率アップを目指すなら、モバイルを活用するのが効果的だね。でも、効率化ばかりを考えていると、みんながモバイル環境で仕事を済ませてしまってスタッフ同士で話す機会が減ってしまう。これではコミュニケーション不全が起こりかねないので要注意。こうした危険性を回避するためには、従来通りの“顔をつきあわせた”コミュニケーションの機会も意識してつくる必要があるだろうね。


 営業担当者が、外出先から商品の欠品情報を簡単に確認できるだけでも業務の効率は上がります。情報の共有さえ実現できれば、このような業務のためだけに帰社する必要はなくなります。さらに、週1回のグループミーティングの際、確認のために時間を使う必要がなくなり、もっと重要な議題について話し合う時間がとれるようになります。

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 情報の共有は単に業務のスピードを加速するだけでなく、同じ時間をこれまで以上に有効に使えるようにする基盤でもあるのです。限られた時間を有効に使えるか、効率的に使えるのかは、ビジネス全体に大きな影響を与えます。

 報告のための1時間と、新たな戦いのために費やす1時間は、同じ長さであっても、その内容、さらに会社に与える影響には大きな違いとなって表れてくると考えるべきでしょう。

業務のスピードアップは顧客信頼度のアップにつながる


アトス:業務効率のアップはビジネスのスピードアップにつながり、顧客からの信頼度アップにもつながる。つまり「ムリ、ムダ」を削減する以上の効果があるわけだ。


 例えばフィールドSEの業務を例に考えてみましょう。

 カスタマーセンターを持っているような大きな会社でないかぎり、顧客からの苦情を受け付けるのは、社内スタッフになります。苦情を受け付けたスタッフは、担当SE、あるいは担当営業が誰なのかを確認し、担当者に連絡を取ることでしょう。

 しかし、この担当者が移動中だったり、別の顧客を訪問していたとしたら、対応は遅れることになります。さらに、担当者が休暇中であった場合には、対応はますます遅れることになり、顧客からは「対応の悪い会社」と見なされる可能性があります。

 情報共有ができていれば、たとえ担当者が休暇中であっても対応ができます。さらに、この情報共有がモバイル環境でも実現できているとしたらどうでしょうか。

 社外にいるSEのスキルと位置情報を見て、最短時間で訪問できるSEに情報を送ることで、トラブルへの迅速な対応が可能となります。顧客から見れば、スピーディにトラブルへの対応をしてくれる会社という評価になり、信頼度も高まることでしょう。

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 「いつでもどこでも」仕事ができるというのは、単に自社の業務の効率化だけにとどまらず、その波及効果は多大です。モバイル環境を利用した業務効率化の施策は、ムダをなくすだけでなく、企業としての強みを実現するという側面を持つことを頭に刻んでおきましょう。

 出(いずる)を制し、利益を拡大するためにも、モバイル環境の活用はこれからの企業にとっては必須の施策ということなのです。

イラスト:ばじぃ

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