「報連相は部下からすべし」と考える上司が大間違いなワケなぜ、あなたの部下は報連相しないのか(6/6 ページ)

» 2021年08月26日 05時00分 公開
[高橋実ITmedia]
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人事側のポイント(1):報連相の「やり方」を教える機会をつくる

 多くの会社の新入社員研修で「報連相は大事」「報連相は社会人の基本」と伝えていても、その「やり方」まで教えている企業は非常に少ないです。いくら大切だといっても、やり方を教えてあげなければ、できるようにはなりません。現場が困っているのであれば、人事が主導して報連相の「やり方」を教える機会を積極的につくるべきです。

人事側のポイント(2):部下だけでなく、上司にも教える

 何度もお伝えしていますが、報連相は上司と部下のコミュニケーション手段です。しかし「報連相は部下からするもの」と誤解をする上司は多いですし、そうした上司の言動がきっかけで部下が報連相をしなくなるケースはとても多いのです。

社内でしっかり報連相を浸透させるなら、受け手の上司の行動やスタンスが重要です。部下だけでなく、上司に対しても教える機会を積極的につくるべきです。

人事側のポイント(3):社内の環境づくり(社内文化の醸成)に注力する

 報連相は、社内文化そのものをつくります。現場の上司や社員はそれぞれの報連相はできても、社内文化の醸成は、まさに人事の仕事になります。経営トップを巻き込み、社内に浸透させていく環境づくりに積極的に取り組むべきです。

 コロナ禍では、社員同士のコミュニケーションが希薄になっています。今はまだ感染の収束も見えず、誰しもが不安を抱えて仕事をしているはずです。増えてきたオンラインでのコミュニケーションは、情報が少なくなり報連相も無機質になりがちだと思います。シンプルで素晴らしい手法の報連相も、使い方を間違えてしまうとコミュニケーション不和の要因にもなります。報連相を積極的に推進している企業の方は、今一度足元のやり方を見直してみたらどうでしょうか。

著者プロフィール・高橋 実(たかはし みのる)

組織・人事クリエイティブディレクター/マイクロ人事部長

株式会社モザイクワーク 取締役副社長

株式会社ティーブリッジェズカンパニー 代表取締役

法政大学 兼任講師ほか、複数企業の人事責任者として従事。

慶應義塾大学卒業後、株式会社ジェーシービーでインターネット黎明期の新規事業立ち上げに従事、その後NTT、トヨタのクレジットカード事業立ち上げに参画。その後人事に転身し、トヨタファイナンス株式会社、創業100年企業、株式会社HDE(現HENNGE株式会社)で人事部長を歴任したのち、「人事の複業」として複数企業の人事責任者としてハンズオンで企業の組織改革を手掛けている。

新卒、中途、アルバイト採用変革、外国人採用、人事制度改革、女性人材活用、組織改革プランの企画・実行、HR Tech導入、労務実務改革、組織健康戦略、戦略総務(BCP/リスクマネジメント/オフィスファシリティマネジメント)など、企業の中に入ってハンズオンで行っている。セミナー登壇・メディア出演多数。

「高橋実@マイクロ人事部長」としてnoteでも情報発信を行っているほか、Twitter、Linkedinでも活動している

note:「高橋実@マイクロ人事部長」

Twitter:みのる (高橋実)| マイクロ人事部長

Linkedin:Minoru Takahashi


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