「報連相は部下からするもの」という意識を持っている上司の方の多くは、「聴く姿勢」になっていません。上司にとってはどんなに小さなことでも、部下にとっては重大な問題なのです。しっかりと時間をとって部下に対峙してあげないと、部下はさらに報連相がしにくくなってしまいます。
多くの報連相は、部下が「自分のできていないこと」を伝えねばならないもので、それなりの覚悟をもって行われます。それなのに、上司が怒ったり、否定したりすれば、部下はさらに報連相を躊躇(ちゅうちょ)するようになるでしょう。「怒る」「否定する」は、部下の行動変容には一切結び付かないのです。
「上司が忙しそうだ」と感じると、ほとんどの部下は報連相をすることを躊躇します。部下は常に上司の手が空くタイミングを見計らっており、忙しそうだと重要度を勝手に下げてしまったりします。部下から「忙しそうですね」と声を掛けられたときは要注意。報連相をしにくい状況をつくり上げてしまっている可能性があります。
報連相をしてこない部下は、「必要性を感じていない」ことが多いです。報告をしても「分かった。まあ頑張って」といわれるだけでは、意味がないと感じています。部下が困っていることや求めていることに注目し、それに応じた適切なアドバイスや、必要であれば上司が手を掛けてあげて、「報告をしてよかった」と感じさせることが次の報連相につながります。
どんな部下にとっても、上司との会話はストレスです。どんな報連相であっても、最後には必ず「エールを送る」ことを忘れずに行いましょう。最後に上司の笑顔を見るだけで、部下は頑張れるものです。
ここまで5つのポイントを紹介しましたが、ベースになるのは、何よりも「部下との信頼関係」です。報連相は、あくまで上司と部下のコミュニケーションの手段ですから、部下の報連相を活発にするためには、まずは信頼関係を構築しておかなければなりません。安心して報連相できる環境を整えるために、日頃報連相ができない部下がいるのであれば、まずは自身のマネジメントスタイルをしっかり見直してみましょう。
報連相は、現場での上司と部下のやりとりではありますが、真の目的は「風通しの良い会社をつくる手段」です。現場任せにするのではなく、人事としてやるべきことは多いはずです。では、人事は何をやるべきなのでしょうか。
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