クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

自動車メーカー8社のカーボンニュートラル戦略池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/8 ページ)

» 2022年01月01日 07時00分 公開
[池田直渡ITmedia]

ついにアルトから純エンジン車がなくなったスズキ

 スズキはカーボンニュートラルに関する全体的戦略をまだ発表していない。ただいろいろ動いているのは確かだ。先日モデルチェンジしたアルトは、ラインアップからついに純ガソリンエンジンモデルがなくなった。搭載するのは、スズキがSエネチャージと呼ぶマイルドハイブリッドシステムだが、それはつまり今後のスズキのニューモデルは全部Sエネチャージが標準装備される方向へ向かうということでもある。

 さらにいえば、スズキはコンパクトカー用のAMT(ロボット変速機)を使ったストロングハイブリッドシステムも持っているので、かなり早期から準備は整っていたともいえる。問題は、この先BEVの生産比率義務づけなど、変な規制ができた場合に、顧客層との兼ね合いでどうやってBEVを売っていくのかというところにある。マイルドハイブリッドとストロングハイブリッドに関しては、先頭グループにいたスズキだが、顧客特性を考えるとそこからのBEVへのジャンプアップはかなり難しい作戦になると思われる。

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