「Itanium 2で日本企業を元気に」、OEMパートナーも構想を披露

インテルは6月11日、Itanium 2を軸に企業基幹システム向けの戦略を説明する「インテル エンタープライズ・プレス・セミナー」を開催。OEMパートナー4社も参加した。

» 2004年06月11日 20時54分 公開
[ITmedia]

 インテルは6月11日、「インテル エンタープライズ・プレス・セミナー」を開催した。この場で同社はOEMパートナー4社とともに、「Itanium 2はエンタープライズアプリケーションに最適なプロセッサである」と強調。ひいては、Itaniumベースのシステムが日本企業の競争力向上に寄与するとした。

プレゼンテーションを行ったマルホトラ氏とパートナー各社

 セミナーでプレゼンテーションを行った米Intelのアジェイ・マルホトラ氏(エンタープライズ・プラットフォーム事業本部 エンタープライズマーケティング&プランニング事業部長)は、レガシーシステムから「オープンな」Itaniumベースのシステムへと移行することが、企業のIT投資効果を上げ、生産性向上に寄与すると主張した。

 同氏は、「日本の企業は海外の企業に比べ、レガシーなメインフレームシステムへ2倍も投資を行っている」「日本のIT投資額は世界で第2位を占めるにもかかわらず、IT生産効率となると12位にとどまっている」と指摘。コストパフォーマンスや拡張性に優れ、しかもハードウェアプラットフォームやOS、アプリケーションの面でさまざまな選択肢を持てるItanium 2が、この状況を打開するという見方を示した。

 「Itaniumの美点の1つは、マルチOSに対応していること。どのOSを選ぼうと、Itanium上でこそ最もよく動作する」(マルホトラ氏)。

 対応アプリケーションの増加も追い風にして、「エンタープライズのみならず、金融や小売、製造業や政府関係といった垂直市場においても、類まれな価値を提供できる」と同氏は述べている。

OEMパートナー4社の戦略

 セミナーではまた、NEC、日本ヒューレット・パッカード(HP)、日立製作所、富士通というOEMパートナーが、各々のItanium戦略と製品について説明した。

 NECは、先日発表したItanium 2搭載のブレードサーバ「Express5800/1020Ba」を披露。32wayのハイエンドサーバなどと合わせてラインナップを展開し、「今年度は昨年度の4倍の売り上げを目指し、(サーバ事業)飛躍の年にしたい」(同社執行役員専務の小林一彦氏)という。なお同社の説明によると、既にExpress5800/1020Baは、ある製造業で流体解析などの用途で導入されているということだ。

ブレードサーバ NECのブレードサーバ「Express5800/1020Ba」

 また日立製作所はセミナーに合わせて、HPが開発した「HP mx2 デュアルプロセッサモジュール」を採用した新型サーバ「HA8500/860」「HA8500/740」をリリースしている。このモジュールは、文字通り、プロセッサ1つ分のスペースに2個のプロセッサを搭載できるようにするもので、CPUの集積度を容易に2倍に拡張できる。

 同社はまた、Itanium 2とソフトウェア/ミドルウェアとの連携についても触れた。特に強調したのは、「Harmonious Computing」と名づけるユーティリティコンピューティング構想との関連だ。「ブレードを1つのキーワードに、ネットワークやストレージなど、あらゆるリソースを効率的に利用できるようにしていく。JP1をはじめとするソフトウェア製品群とItaniumuを組み合わせ、システム全体の最適化や仮想化を実現していきたい」(日立のエンタープライズサーバ事業部長、北野昌宏氏)。

 日本HPの代表取締役会長、寺澤正雄氏は、ディーシーカードをはじめ複数の国内企業が、Itanium 2を搭載した「Superdome」を採用していることを明らかにした。「Superdomeに対する引き合いのうち半数は、Itaniumベースになっている」(同氏)という。

 そして富士通は、来年リリースを目指しミッションクリティカルシステム向けに開発を進めているIA基幹サーバを披露した。Itanium 2をベースにすること以外、詳細は明らかにされていないが、「何が起きてもシステムは止まらない高い信頼性を実現する。合わせて、フレキシブルなパーティショニング機能も搭載する」(富士通の経営執行役常務、伊東千秋氏)という。

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