基幹向けでもトップを狙うデル、「サービスが重要」と浜田社長(2/2 ページ)

» 2004年08月02日 22時22分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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ITmedia きょうの発表会では、浜田さん「個人」の目標として「サービスの拡充」を掲げていました。

浜田 はい。米国本社やだれかがやれ、と言うのを待つのではなく、私自身がとても重要だと考え、最優先の課題として取り組むという意味です。

 プリンタサーバやファイルサーバとして使っているうちはいいのですが、金融機関がATMでの取引を処理したり、巨大なオンラインサイトを稼動させるなど、顧客らはIAサーバをミッションクリティカルな領域で採用し始めていて、これまで以上に高いレベルのサービスが要求されています。しかも、顧客のシステムは必然的に異機種混在(ヘテロ)の環境です。

 また、製造業の場合、地方に工場を展開しているケースがたくさんあるのですが、現状では全国津々浦々まで2時間以内のオンサイト保守サービスが提供できる体制にはなっていません。サーバはいいが、ストレージは難しいというところもあります。隈なくカバーするには拠点やエンジニアを増やしていく必要があるでしょう。

 さらに、大手企業の多くは、障害発生時の対応だけでなく、復旧後にきちんとした報告書を求めてきます。それにこたえるためには、原因を解析するスキルの向上も必要です。

 こうした地域の問題を解決し、クオリティを高めるため、社員を増やすなどデルとしても投資を行いますし、パートナーの数やスタッフの数を増やしていくことになるでしょう。

サービスは日々改善

ITmedia オースチンの本社を訪ねたとき、全米のサービス提供状況を監視するセンターが稼動していました。同じような施設を日本国内にも構築するのでしょうか。

浜田 積極的に検討しているところです。ただ、サービスに関してやらなければいけないことのリストは膨大で、その多くは細かい見直しやチューニングの積み重ねです。いつから始めるというものではなく、常に日々改善していくものだと思っています。

ITmedia サービス単体でも利益を目指すのでしょうか。

浜田 はい、どんな事業でも利益を確保するのが基本となります。しかし、われわれにとっては、あくまでハードウェアがエンジンで、サービスはターボチャージャーです。ハードウェアの赤字をサービスで埋めるため、暴利をむさぼるようなことはありません。IBMはサービスで成功していますが、われわれとは対極にあります。ハードウェアをより買いやすく、より活用してもらえるようにするのが、デルのサービスです。どちらつかずのベンダーにとって、今後は厳しくなるでしょう。



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