「ID営業」をレポーティングツールで(2/2 ページ)

» 2004年08月10日 08時52分 公開
[怒賀新也,ITmedia]
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 同氏によれば、OLAP分析をするユーザーは社内の5%に過ぎないが、レポーティングは社員全員が潜在ユーザーになり得るという。


ITmedia 米国でリリースされたActuate 8の特徴は?

アキハ BIと統合して発展したエンタープライズ・インフォメーション・インテグレーション(EII)というコンセプトに基づいていることが特徴です。

 さまざまなデータを集め、ユーザーからは1つのデータベースのようなイメージでデータを格納し、オンデマンドで情報を取り出せることが特徴です。また、システム全体を通して1つのメタデータを作成できる点も強みになります。

 他のベンダーでは、OLAPツールとレポーティングでメタデータが異なることが多いですが、Actuate 8では、システム全体を通して1つのメタデータ(データに関する情報を記述したデータ。膨大なデータから必要なデータを検索できるようにするために作成される。特に、画像データの検索では重宝される)として扱うことができます。

 これは、Nimble Technologyを買収したことで可能になりました。Nimbleは、複数のデータベースを検索し、結果を照合するソフトウェアを開発するソフトウェアベンダーです。


 例えば、Citi Bankは、顧客管理で同社のレポーティングツールを利用、口座を持つユーザーはいつでもオンラインで自分の口座状況を確認できる。また、ページレベルでセキュリティがかけられるため、自分以外の人が情報を参照することはできない。

 このページレベルセキュリティがより明確に力を発揮するのが、医療分野での利用だ。患者の個人情報などは、セキュリティへの世界的な意識の高まりも手伝い、漏えいが許されなくなっている。HIPAA(医療保険の携行性と責任に関する法律)のような標準が策定されたことにより、企業はコンプライアンスへの取り組みにも力を入れる必要があり、必要な情報を参照できる利便性とともに、個人情報の保護にもしっかりと対応していなくてはらない。

 BI市場は、Actuateのようにレポーティングに特化する企業、CognosやBusinessObjectsといったBI全域で製品をリリースする専業ベンダーがある一方、SAPやOracle、PeopleSofなども、ERP拡張の第一候補として本腰を入れ始めた。Microsoftも、Windows Server 2003とSQL Server、Excelという組み合わせによるBIを展開しており、今後の競争激化が予想される。

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