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» 2004年08月17日 16時16分 公開

中国のRed Flag Linuxは企業市場を目指す

Red Flag Softwareは、サーバOSと企業ユーザーに主要なフォーカスをシフトするとともに、海外での販売を拡大する計画だ。同社の社長代理が8月13日のインタビューで明らかにした。

[IDG Japan]
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 中国の主要Linuxクライアントディストリビューションを供給するRed Flag Softwareは、サーバOSと企業ユーザーに主要なフォーカスをシフトするとともに、海外での販売を拡大する計画だ。同社の社長代理が8月13日のインタビューで明らかにした。

 Red Flag Softwareのクリス・チョウ社長代理は電話会見で「今年と来年は、企業市場が当社の重点分野になる。多くの企業ユーザーがUNIXとWindowsからLinuxに移行しているからだ」と語った。この2年間、クライアントと組み込みLinuxに注力してきたRed Flagだが、企業市場へのフォーカスは同社の戦略転換を意味するものだという。

 市場調査会社IDCによると、中国のOS市場でLinuxの占める比率は小さいが、Linux市場は拡大しつつある。昨年の出荷数は210万本で、売り上げ合計は810万ドルだった。そのほとんどがクライアントOSで、この市場を支配しているのがRed Flagだ。IDCの推定では、同社の出荷数は130万本。中国でのサーバOSの出荷数はわずか2万4000本で、金額ベースでは590万ドル。

 チョウ氏によると、中国では数年前からLinuxの採用を巡る話があったが、ここにきて政府と民間企業が動き始め、Red Flagは既に企業から契約を獲得しているという。

 「われわれは政府部門に進出を果たした。さらにChina Post(中国郵報)紙のほか、教育、エネルギー、通信、金融サービスの各分野にも進出した。中国企業の間では、Red Flag Linuxが多数採用されている」(同氏)

 企業市場への進出を目指す同社の前に立ちはだかるのが、東京に本社を置くターボリナックスだ。IDCによると、Red Flagは2003年、クライアント市場での出荷数で約4対1の比率でターボリナックスをリードしたものの、サーバ市場ではターボリナックスの後塵を拝した。ターボリナックスは2003年、中国で1万4600本のサーバOSを出荷し、Red Flagの出荷数の2倍を超えた。

 Red Flagは単独でこの戦いを始めようとしているわけではない。同社は今年、アジア各国の企業ユーザー向けに標準Linuxディストリビューションを開発することに関して、日本のミラクルリナックスおよび同社の過半数株主であるOracleと提携を結んだ。このソフトウェアの最初のバージョンは「Asianux」と呼ばれ、6月にリリースされた。Intelの「Itanium 2」プロセッサをサポートする64ビット版は今月中にリリースされる予定。

 Red FlagとミラクルはAsianuxをベースとして、それぞれの市場向けに独自のディストリビューションを開発する。チョウ氏によると、Asianuxは中国語、日本後、韓国語、英語のサポートに向けて開発が進められており、韓国のパートナーも近くプロジェクトに参加する見通しだという。「韓国のパートナーは1カ月後に発表する予定だ」と同氏。

 チョウ氏によると、Red Flagでは、英語圏市場への進出に向けた同社の戦略の基盤としてもAsianuxを利用する考えだという。

 「われわれは市場および政府から多くの支持を取り付けている。これまで当社の主要なフォーカスは中国本土市場だったが、当社の市場を海外に拡張できると考えている」(同氏)

 同社は、シンガポール、マレーシア、タイなど英語が一般に使われている東南アジア諸国の企業向けにAsianuxの英語版を販売する計画だ。

 「Red Flag Linux Desktop」ソフトウェアの英語版もまもなくリリースされる見込みだ。このパッケージは当初、2003年末に出荷される予定だったが、同社は今年に入って、今年7〜9月期までリリースを延期すると発表した。チョウ氏によると、このスケジュールは基本的に変更がなく、2カ月以内に同ソフトウェアを出荷する予定だとしている。

 企業市場を新たな重点分野にするという方針を打ち出したRed Flagだが、同社では中国のクライアントOS市場でのシェアを維持する自信があるとしている。IDCでは、同市場でのRed Flagのシェアは出荷数で63.5%、売上高で47.2%と推定している。

 「この市場シェアを維持できると考えている。競争はますます激しくなるだろうが、市場シェアの半分以上を確保する自信がある」とチョウ氏は話す。

 Red Flag Softwareは2000年に、中国科学院(CAS)ソフトウェア研究所およびNewMargin Venture Capitalによって設立された。同社は2001年3月、中国情報産業省傘下のCCID Capitalから出資を受けた。チョウ氏によると、現在、CASとCCID CapitalがRed Flagの最大の株主となっており、合計で同社の60%以上の株式を保有するという。

 「われわれはまだ株式公開企業ではない」とチョウ氏は話す。株式公開の予定に関する質問に対しては、「もちろんその予定が、たぶん2〜3年先になるだろう」と答えている。

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