日本SGIと応用地質が地盤災害映像監視ソリューションシステムを開発

日本SGIと応用地質は、地盤災害映像監視システムを開発、商品化することで合意したことを発表した。第一弾として「ViewRanger」と「i-SENSOR」を基盤とした地盤災害映像監視システムを2005年4月に提供予定。

» 2004年12月14日 14時34分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 日本SGIと応用地質は12月14日、地盤災害映像監視システムを開発、商品化することで合意したことを発表した。第一弾として日本SGIの「SGI ViewRanger」と、応用地質の地盤災害監視システム「i-SENSOR伸縮計」を統合した災害監視システムの開発に着手、2005年4月に発売する予定。

 i-SENSORは各種センサーとNTTドコモのパケット通信サービスDoPaを組み合わせることで、がけ崩れや地すべりなど地盤の移動量や水位、雨量などの地盤災害を未然に察知し、それらの情報を通知するシステム。これまで全国に100システム以上が設置されてきた。

 i-SENSORは地盤の移動量や雨量などの物理的な計測を主体としているが、地盤災害状況を視覚的に把握したいといったニーズは高かった。こうしたニーズに応えるため、日本SGIが提供する最新の映像センシング技術とユビキタス・モニタリング・ソリューションを兼ね備えたViewRangerをi-SENSOR伸縮計の機能の一つとして取り入れた。

 ViewRangerはNetBSDベースのマイクロサーバで、CMOSカメラやNTSC端子を組み合わせることで、従来のアナログカメラやIPカメラでは実現できなかった高度な監視機能を有する。また、コンパクトフラッシュのスロットを装備しているため、無線LAN、PHS、FOMAなどの通信インフラを利用可能となり、結果として場所を問わずリアルタイムな映像配信を可能としている。

 今年、日本各地を襲った台風による豪雨や新潟県中越地震などによって生じた多くの地盤災害は、多くの自治体に地盤災害に対する関心を高める結果となった。特に台風による豪雨や地震によって直接引き起こされる一次災害だけでなく、脆弱化した地盤が引き起こすがけ崩れや土石流などの二次災害に対する迅速かつ的確な対応が地盤災害では求められる。

 今回発表された地盤災害映像監視システムは、映像情報からも地盤災害を早期にかつ確実に把握でき、崩壊危険箇所の視覚的な状況把握や、小動物や倒木による伸縮計の誤動作確認などのニーズに応えるものとなる。

 2005年4月から開始される応用地質のi-SENSORWebデータ配信サービスでは、地盤災害監視箇所の状況について、計測情報に加え、映像でも閲覧可能なサービスを提供する予定。

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