次世代のEUCを求めてNotes/Dominoを再考するユーザーたち(1/2 ページ)

エンドユーザーコンピューティング推進のツールとして浸透したNotesだが、広範な普及から10年が過ぎ、ユーザーらは新しい時代に合ったEUCを模索すべく、Notesを再考する。

» 2005年02月10日 16時09分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 「このままNotesでいいのか?」──今、Notes/Dominoユーザーは、新しい情報共有の在り方や時代に合ったエンドユーザーコンピューティングを模索し、システムを再考している。

 国内市場でNotesの本格的な導入が始まったのは、「4.1J」(1996年)のリリースがきっかけだった。あれから10年近くが過ぎたが、多くのユーザーは依然として4.1、4.5、および4.6という、いわば枯れてしまった旧製品を使い続けているという。しかし、ノーツコンソーシアムによると、ここへきてNotes/Dominoの情報を求めて入会するユーザー企業やパートナー企業が増えているという。

 ノーツコンソーシアムは4.1Jに先立ち、1995年に設立されている。昨年10周年を祝ったその活動は、そのままNotes/Dominoの歴史といってもいい。4.5、4.6がリリースされた1997年から1998年にはNotesの国内導入が一気に広がり、会員企業も330社に達した。

 「エンドユーザーコンピューティング推進のツール、ビジネスのやり方を変え、業務効率を改善できるツールとして紹介されたNotesだったが、実際にどう使えばいいのか、情報を交換して、活用する方法を発見したり、再確認する場としてコンソーシアムがあった」と振り返るのは事務局長を務める鈴木文彦氏。

Notesの歴史ともいえるノーツコンソーシアムの事務局長を務める鈴木氏

 しかし、1998年をピークに年々会員数は減り続け、2002年には120社まで落ち込んだ。1999年の5.0が信頼性に問題を抱え、新規導入が鈍化し、移行も進まなかったからだ。会員企業を対象にコンソーシアムが実施したアンケートでも5.0へ移行したのは半数にとどまったという。

 ところが6.0、6.4、6.5と品質が改善されるにつれ、ここへきて移行へと腰を上げるユーザーが増えてきた。日本アイ・ビー・エムによる旧製品のサポート終了やマイクロソフトによるWindows NTのサポート終了といった外部的な要因も重なっている。

 「会員企業の6.xへの移行は、予定も含めると、7割近くに達する」と鈴木氏。まさに2005年は「移行の年」といえる。

 移行の促進に伴い、ノーツコンソーシアムでは、移行事例を紹介し、問題点を整理するなど、会員企業のニーズにこたえようとしている。その代表的な成果が、移行の虎の巻ともいえる「Code Checker」だ。

移行虎の巻、Code Checker

 Notes/Domino 6では、一部の関数やスクリプトの仕様などが変わったため、既存のアプリケーションも一部のコードを修正する必要がある。そうした負担を少しでも減らすため、コンソーシアムは移行ツールの作成をIBMに依頼した。このCode Checkerを利用することで、修正の必要な個所を把握できるため、移行をスムーズに進められるようになるという。Lotus Day 2004では第一生命保険相互会社の移行事例が紹介されたが、その際にもCode Checkerの活用が勧められた。

 10周年を終えたのを記念して2月17日に開催される「Lotus Notes/Domino Day 2005 10th Anniversary Notes Consortium」では、付属するHint & Tips集の改訂版も発表されるという。

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