EM64T搭載Xeon MP投入で64ビット移行を促すインテル

インテルが64ビット、プラットフォーム化、およびマルチコア化をテーマにエンタープライズコンピューティング戦略に関するプレスブリーフィングを行った。

» 2005年03月16日 00時37分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 インテルは3月15日、都内でエンタープライズコンピューティング戦略に関するプレスブリーフィングを行った。同社は2月15日に 2次キャッシュを大容量化したデュアルプロセッサ対応の「64ビットXeonプロセッサ 2MB L2 キャッシュ版」を出荷したのを皮切りに、デスクトップからサーバに至るまでエンタープライズ全域でプラットフォームの機能拡張を打ち出している。3月初め、サンフランシスコで開催されたIntel Developer Forum(IDF)では、モバイル向けを含めたすべてのプロセッサラインでマルチコア化がぶち上げられたばかり。

 エンタープライズ&ネットワークソリューション本部長を務める町田栄作氏は、「インテルは、向こう4年で10倍という、ムーアの法則を超える性能向上にまい進する」と話す。

 また、マルチプロセッサ対応のXeon MPにEM64T(Extended Memory 64 Technology)を搭載した「Potomac」(コードネーム)を近く出荷することも明らかにしており、64ビットへの移行が一層加速されそうだ。2004年8月、Noconaによってボリュームセグメントに向けたデュアルプロセッサ対応のXeon DPにEM64Tが搭載されたが、エンタープライズサーバ向けのXeon MPへは初搭載となる。

 メインフレームやRISCサーバをリプレース可能な機能が盛り込まれたItaniumプロセッサも好調に推移しており、2004年は前年比で約3倍の国内出荷を記録したという。RISCプロセッサがほぼ横ばいだったのと対照的だ。さらに「Noconaでワークステーションやデュアルプロセッササーバの64ビット化も予想を超えるペースで進んでいる」と町田氏。32ビットから64ビットの橋渡し役を担うEM64TがXeon MPにも搭載されたことで一気に移行が進む可能性は高い。

プラットフォーム化の推進

 これまでにもプラットフォームとしての価値をアピールしてきたインテルだが、Xeon MPが64ビット化されるのを機にプラットフォーム全体に「Truland」というコードネームを与えている。64ビットXeon MPと組み合わせられるE8500チップセット(コードネーム:Twincastle)は、2006年に登場するデュアルコアプロセッサの64ビットXeon MP(コードネーム:PaxvilleおよびTulsa)向けにデザインされたものだ。

 従来のXeon MP用チップセットが3.2Gバイト/秒のシステムバスだったのに比べ、E8500では2つの独立した5.3Gバイト/秒のシステムバスをサポート、合計の帯域幅は10.6Gバイト/秒に達する。これならPaxvilleおよびTulsaでデュアルコア化されても十分に余地がある。パフォーマンス以上に重要なRAS機能でも、メモリRAIDやメモリホットスワップといった可用性を高める機能が搭載されるという。

 一方、デュアルコア化はすべてのプロセッサラインで計画されており、Xeon DPも2006年第1四半期にDempsey(コードネーム)が登場する予定。プラットフォーム全体はBensleyのコードネームで呼ばれ、Trulandの特徴だったメモリRAS機能も盛り込まれるという。

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