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» 2005年03月22日 22時44分 UPDATE

テレビ朝日がPHPを選んだ理由

デジタル放送によってテレビ局が配信可能な情報量は飛躍的に増した。しかし、そのインフラを活用するためには、課題があるのも事実。NECソフトウェア東北が取り組んだ構築事例は、メディアミックスの1つだ。

[木田佳克,ITmedia]

 先ごろ開催された「Open Source Realize Forum 2005」。NECソフトウェア東北、ITソリューション事業部の佐藤正行氏による講演では、同社によるテレビ朝日の通信系サービス基盤構築事例が紹介された。

IMG_9040.jpg 写真■デジタル放送への応用を見据え、放送番組とサイト情報の連携が課題となった

 民放テレビ局では現在、デジタルデータ放送やデータ放送連携通信(BMLインターネット)サービスの活用が課題となっており、今後、自社Webサイトの配信サービスと関連づけることが重要視されているという。

 佐藤氏は、これらの要件を満たすための基盤作りを前提としたテレビ朝日への取り組みを挙げ、2003年5月のシステム提案を始め、2004年4月のPC向けサイト(テレビ朝日オンザウェブ)移行、同年6月のケータイ向けサイト完全移行までの約1年間を振り返った。

 テレビ朝日の配信システムには当初、「テレ朝com-plete!」「a-friends」「セレクションX」「supreme」などサービスごとにデータベースが分散しており、会員情報の散在、継ぎ接ぎによるシステムの統一性に悩んでいたという。この状況の見直しは、前述したデジタル放送に向けてが具体化し、NECソフトウェア東北が担うことになった。

 佐藤氏は構築の際に、課金決済、効率生産性、安定性と拡張性を課題としたと言い、主にインターネット配信サービスシステムへのPHP採用理由を語った(PHP関連記事)。

IMG_9038.jpg 写真■テレビ朝日におけるコンテンツ作成のフロー

 テレビ朝日では、最終的にJavaとPHP利用のシステムが混在するよう構成されたが、それぞれの開発言語には販売支援、マーケティング支援、ビジネス管理支援、他システム連携にはJava、サービス支援と開発、コンテンツ制作と支援、利用者対応支援にPHPを利用した。Javaを用いたシステムは、比較的変化が少ないサービス(業務)向けだという。

IMG_9036.jpg 写真■業務ごとのシステム構成図

 テレビ朝日のWebサイト配信サービス(コンテンツ)では、ドラマやバラエティなどテレビ番組ごとにページを作る必要があり、数か月置きの変化に現場で対応する必要性があった。これに対しNECソフトウェア東北は、PHPベースのCMS(コンテンツマネージメントシステム)を開発し、根底のエンジン支援としてゼンド・ジャパンの「Zend Performance Suite」を用いた(関連レビュー記事)。Zend Performance Suite選定の理由は、「トラフィック集中の緩和に相応しい機能性が見込めたため」と佐藤氏。

 また、佐藤氏は「いくらPHPとはいえ、サイト上のコンテンツは可能な限り静的であることが望ましい」と強調し、静的ファイルによるコンテンツを効率よく生成するための仕組みが必要だったという。そこで、テンプレートから静的なコンテンツを公開スケジュールに合わせて生成するよう工夫した。また、開発過程ではオリジナルでApacheモジュールを作成し、会員認証を静的コンテンツに対しても有効化するよう配慮したという。

 Zend Performance Suiteでは、「ページキャッシュ条件に多様性があった」と佐藤氏。しかし、「ケータイサイトではキャリア別、モデル別にコンテンツ変更する必要があるため動的にならざるを得ない面があった」と言い、処理高速化も課題の1つだったという。これらには、読み込みとコンパイルを軽減する「PHPスクリプトキャッシュ機能」を始め、API利用でDBからのクエリ単位で部分的に働く「コンテンツキャッシュ機能」、サーバからブラウザの経路でデータ圧縮する「データ圧縮機能」が効果的に働き、要件を満たせた、と佐藤氏。

 ただし、ケータイによってはgzip圧縮が効かないモデルがあるため、ユーザーエージェントで判別するよう対処したものの、1つのコンテンツで数百種のキャッシュが生成されてしまいヒット率の低下が問題として残った。最終的には、Apacheモジュールによってキャリアタイプをサーバ環境変数に渡し、キャッシュ条件とするよう対処したという。

 「PHP採用のもう1つの理由は、前述したオリジナルCMSをテレビ朝日内部の技術者がカスタマイズしやすいよう配慮したため」と佐藤氏。今後の課題は、ケータイデジタル放送(1セグ放送)に向けての拡張、そしてさらなるスループット向上という。

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