新生Symantecは変化の風を吹かすVERITAS VISION 2005 Report

米Symantecのジョン・トンプソンCEOは、サンフランシスコで開催中の「VERITAS VISION 2005」で新生Symantecについて講演した。

» 2005年04月28日 07時31分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 「Symantecが大きな一歩を踏み出す」――ジョン・トンプソンCEOは米国時間4月27日、サンフランシスコで開催中の「VERITAS VISION 2005」で講演。Veritasとの合併によって、ITに変化の風を吹かすと宣言した。セキュリティと可用性の融合により、企業ITインフラが抱える大きな課題に挑む。

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 Veritasの買収により誕生する予定の新生Symantecは、ソフトウェア企業として世界第4位となる巨大企業。両社のテクノロジーを融合することで生まれるのは、ITのコストとリスクを抑え、収益に貢献できるITインフラへ変えるものだという。

 トンプソンCEOは、「変化のリーダーが今求められている。歴史を見ると1つの企業が変化を起こしてきた。Symantecが柔軟なITインフラを生み出すため、大きな一歩を踏み出す勇気を持った」と話し、新生Symantecでの意気込みを示す。

 合併によって描く絵は、脅威に対しインフラがインテリジェントに防御し、一貫したポリシーにより情報が保護されるという柔軟なITインフラ。「競合にはないリアルなものとして提供する」という。

 トンプソン氏は、講演の中で、Slammerが引き起こした脅威、そして大停電やハリケーンによる災害を振り返り、「セキュリティがあっても、アベイラビリティ(可用性)がなければ意味がない。またその反対でもだめだ。この2つがなければ情報を守れない」と、合併の意義を強調。Veritasが製品を抱えていないネットワーク管理分野へも「機会があれば参入したい」とコメントした。

 また、これまでのSymantecのコンシューマー向けビジネスには、「満足している」と話す。セキュリティ分野のアーリーアダプターはコンシューマーであるとして、エンタープライズビジネスが全体の75%を占めることになる新生Symantecでもコンシューマー事業で力を抜くつもりはない。

 そのほか、Windows以外のプラットフォームにもニーズがあれば、Symantecのセキュリティ製品を拡大する可能性もあることもほのめかしている。

 「変化は始まったばかり」。新生Symantecは6月末にも誕生する予定。宣言通り、新たな風を吹かせることができるか。

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