これに陥らないためには、前々回の“SEに求められる「アーキテクチャ的思考」”で述べた構造的な整理・分類能力を身につけることが重要となる。広いIT技術という海原の中で、一体自分は今何を学んでいるのか、どの部分はすでに習得できているのか、新しい技術はどこに位置づけられ、どの部分が革新的なのかを的確にマッピングできるかが問われるのである。
そのためには、常に他の技術との関係性を意識して、雑誌を読んだり研修を受けたりすることが重要となる。
たとえば、WebサービスとSOAの関係、Ajaxとリッチクライアントの関係、コンテンツ管理と文書管理の関係など、新しい技術や考え方が出てきた時に、既知の技術との関係性に着目して考えることが有効である。また、図1に示すような企業情報システムの全体像における製品分野の分類などに当てはめて製品を位置づけるのも1つの方法である。
いずれにしても、日ごろから分類や定義を意識し、物事の本質を構造的に理解するように気を配ることが大切である。
(出典:ITR)
次回は、SEに求められる4つの視点と能力の3つ目である「業務知識・業界知識」について述べる。
内山悟志(アイ・ティ・アール)
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