2005 JavaOne Conference開催の2日目。マクニーリ氏は基調講演で、今後Javaが貢献すべき業界について語った。「電卓でさえ触ったことがない人々が働く分野がある。システム統合はそのような所でこそ必要とされている」マクニーリ氏
Javaの10周年を祝う「2005 JavaOne Conference」の開催2日目(米国で28日)。基調講演には、Sun Microsystems、スコット・マクニーリ会長兼CEO(最高経営責任者)が登壇し、アップルの発表に対し、「iPodはまだ購入していない、それほど高価ではないのですぐにでも入手できるが……」とお得意の毒舌で始めた。
マクニーリ氏は、基調講演の前3時間ほどに米SeeBeyond Technologyを買収したことを報告した(関連記事)。その理由を、「これまではWebサービスをカバーする範囲に穴があった。アプリ統合でミドルウェア、そしてSOA包括が目的」と語る。
基調講演で大きなテーマの1つとなったのは、会場のデベロッパーに訴える今後Javaがフォーカスすべき分野についてだ。
1つ目に挙げたのが「医療」。
米国でも高齢化が問題視されており、2030年には5人に3人が50代以上という。買収を行ったSeeBeyondはこの医療分野にも取り組んでいるというが、「医療は誰もが関わるところ。そして、プライバシー保護のためにもいっそうのセキュリティーが要求される」とマクニーリ氏は強調する。
基調講演内では、ブラジルに導入されている医療機関のビデオを見せ、「オープンでなければさまざまなプラットフォーム統合が実現できない、これまでPCに触ったことがない人も多いためシンプルであることも重要視すべきところ」とポイントを挙げた。さらに、医療機関ではシステム統合すべき理由がたくさんある。多くの院内職員は、カルテの記入などに二度手間を強いられているのが現状だ、と指摘する。
2つ目に挙げたのが「教育」。
SOA導入でより良いシステム構築をすべき分野だとマクニーリ氏。「誰1人も教育の課程で取り残してはならない、そのためには優れたコンテンツへのアクセスできる環境作りが必要」という。
多くの教育機関でも予算は限られている、アプリケーションを購入するコストも問題視されるものの1つ。そして、教育コミュニティーのサポートも重要なところだと言い、「GELC」と呼ばれるEラーニングコミュニティーの事例を挙げた。
会場のデベロッパーに対し「次世代の開発者育成も考えていただきたい」、と訴えた。
この後、基調講演内では、「DUKE'S CHOICE AWARDS 2005」と呼ばれる優れたJavaアプリケーションの開発者に対し贈られる表彰式が開かれた(関連ブログ投稿)。
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