天城に集結したIBMの主要ISVパートナーが見た最新のSOASOA Business Exchangeリポート(2/2 ページ)

» 2005年10月20日 19時46分 公開
[怒賀新也,ITmedia]
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 一方、同社執行役員でソフトウェア事業担当の三浦浩氏は、「ビジネスの変化に合わせてITを自由に変えるという“夢の世界”がついに実現する段階に来た」と話す。同氏は、米ガートナーの「2008年までに米国の60%以上の企業がSOAを導入する」という調査結果を引用し、IBMがSOAにさらなる確信を持ってビジネス展開することを改めて表明した。

SOAに注力することを繰り返し表明する三浦氏

SOAのソリューションモデルを開発

 また、この日、SOAのソリューションモデルを、イーマニュファクチャリング、イーシーワン、フェアウェイ ソリューションズの3社が日本IBMのIBM Solution Builder Express Portfolio(SBEP)チームと協力して構築したことが明らかにされた。

「SOAは今後当たり前の技術になり、3年もすればSOAとさえ呼ばれていないかもしれない」と話すイーシーワンの最首英裕社長。

 ソリューションモデルとして開発されたのは、複数の異なるアプリケーションの機能をサービスとして切り出し、新たに納期回答の機能を提供するシステムだ。アプリケーションサーバはWebSphere、開発環境がRationalベースとなっている。

 同システムは、フェアウェイ ソリューションズの「φコンダクター」の受注手配機能と、イーマニュファクチャリングのe-MFGの納期回答機能をSOAベースで連携させたもの。受注業務で在庫を引き当てる際に、業務的に新たな引き当てルールが発生することなどを前提に、それらの要件変更に柔軟にシステムが対応できることを示すものとなっている。

 具体的には、在庫の引き当てルールを品目IDごとに動的に変更できることが紹介された。たとえば、Aという製品では、1000個の受注に対して、本社在庫のみを確認し、もし800個しかなければ800個のみについて納期回答が行われる。一方で、異なる新製品Bについては、本社在庫になければ、工場在庫、計画ロットなどの在庫も引き当てることができるように柔軟にアプリケーションを構築することができることが紹介された。

 この柔軟性は、φコンダクターの受注手配機能とe-MFGの納期回答機能をそれぞれサービスとして取り出し、連携させて新たなアプリケーションをつくる際に、ESBを仲介させたことで可能になった。具体的には、ESB内の「メディエーション」という機能が、サービスとサービスを調停することで実現している。

 このシステムの狙いは、ビジネス要件の変更に対してその都度既存のアプリケーションの変更を行うことなく、サービスを組み合わせることで迅速に対応できるようにすること。これにより、システムの再利用性が高まり、開発期間やコストを大幅に削減できる可能性があるという。

 最首氏は、「IBMのSOA関連製品が顧客が望むSOAソリューションを具体的に提供する素材であると確信した」と話している。

パートナー企業として、e-ラーニングソリューションを提供するシステムテクノロジーアイの松岡秀紀社長も講演し、「日本発のパッケージがもっと開発されてほしい」と話した。
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