成功のためのIT活用10カ条ゼロから始める中小企業IT化への道(1/2 ページ)

これまで13回にわたって、中小企業のIT化への道を示してきた。最終回となる今回は「成功するためのIT活用10カ条」を提言して締めくくりとしたい。

» 2006年08月31日 10時50分 公開
[伊嶋謙二,ITmedia]

その1:まずはサーバ導入、LANの構築を

 中小企業がIT化を図る上でまず欠かせないのは、サーバの導入だ。サーバを導入し、LANを構築することは、IT化のスタートラインに立つことといえる(関連記事1関連記事2)。ITのインフラとしてLANを構築し、サーバという「箱」の中に何を入れるか、どのように使うかがITで成功するための鍵となる(関連記事)。

その2:導入の際は信頼のおけるプロバイダーを

 サーバを導入するに当たっては、購入先は慎重に選ぶべきだ。サーバは社内ITの根幹を担うシステムとなるだけに、トラブルが発生した際にはきちんと対処しなければならない。単に価格や今までの付き合いで決めるのではなく、サービスサポートが充実しており、しっかりした提案をするプロバイダーを選ぶようにしたい(関連記事)。

その3:グループウェアで情報を共有し、業務を効率化せよ

 グループウェアは、利用するのに特殊なスキルが必要にならないため、中小企業にとっても導入しやすいシステムだ。情報を全社的に共有し、掲示板などを利用すれば社内の風通しが良くなる。また、ワークフローを活用すれば、書類を電子化すれば書類処理に手間取ることもなく、さらなる業務の効率化が図れる(関連記事)。

その4:社内へのセキュリティも忘れるな

 ウイルスなど外部からの攻撃に対してのセキュリティは、中小企業もほぼ対応は終わっている。実際、外部と電子メールなどでコミュニケーションを行うには、セキュリティソフトの利用は最低限のルールだ(関連記事)。

 その一方で、アクセス制御や情報漏えいなどの内部へのセキュリティに対しては対応できていないのが現状だ。情報漏えいは自社の社員が引き起こすケースが多い。自社の資産は、自社で守るという自覚をより一層高め、トラブルを未然に防ぐための仕組み作りが必要だ(関連記事)。

その5:あらゆるケースに対応できるようなリスク保全を

 上記のようなセキュリティ対策に加えて、サーバの信頼性の向上のためにも、バックアップを行うことは欠かせない。社内で起こるデータの損失などのトラブルについては、バックアップ作業をルーチン化することで対応できる。また、火事や地震などの予測のできない天災や物理的なトラブルについては、ASPサービスのストレージを利用するなどの対処法で、被害を最低限に抑えることができる(関連記事)。

その6:Webサイトを名刺代わりで終わらせてはいけない

 自社のWebサイトを有効に活用できているだろうか? 長期間更新せずに、ただ企業情報を開示したホームページは「単なる名刺」としかいえない。ユーザーが利用したいのは、「有益な情報があり、更新頻度の高いホームページ」だ(関連記事)。

 ただし、どんなに出来の良いWebサイトでもアクセスがなければ意味はない。アクセスアップのためには、セミナーや、フェア、メールマガジンなどを積極的に活用してユーザーに呼びかけることが肝要だ。Webサイトを名刺代わりに使うことからいち早く脱し、ユーザー獲得の1つの窓口として有効活用すべきである(関連記事)。

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