15分で分かる2006年のブログ界(4/4 ページ)

» 2006年12月28日 08時00分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 しかし、ここまで広まったと思っていてもWeb2.0という言葉が認知されているには程遠い(関連記事)。この時に筆者は、「言葉の認知度4割? 10分で分かる「Web2.0」」を書いたが、言葉足らずから一部で誤解を生んだようだ。「Web2.0企業たるには、次の条件のうちのいずれかを満たしていればよい」として、幾つかの条件を述べたが、これは「いずれかが」ではなく「いずれかが突出して」であり、「突出して」が抜け落ちていた。これがあるとないとでは意味合いが変わってくるので、ご理解いただきたい。

 話を戻すと、このWeb2.0という言葉が、意味まではともかく、言葉として認知され始めたのは間違いがない2006年の傾向だ。

 そしてもう一つが「RSS」だが――確かに、RSSの配信は増え、RSSリーダーなども各種揃っているが、果たしてどれだけのユーザーが利用しているのか? というと心許なくはないだろうか。

 実感として、RSSを配信する側と、RSSを利用する対象となるユーザーとの間に、大きな壁が存在するような気がしてならない。今後、Windows VistaとRSSリーダー機能を搭載したInternet Explorer 7が普及するかどうかが一つのカギとなるだろう。

迷走から再生へ――2007年への展望

 さて、ここまで振り返ったように、2006年のブログ界は、ユーザーが増えた発展の年であると同時に、迷走の年でもあった。

 しかし、迷走しているのはサービス事業者側の都合だけ。多くのブロガーたちは、その事業者を尻目に、独自の方法で、ブログライフを満喫していると言ってよいだろう。

 2007年、ブログ界が再生し、発展していくための展望はあるのだろうか。そのカギは、やはり2007年に一般向けリリースされるWindows Vistaと、その周辺が握っているかもしれない。そして、ブログサービス側のインフラ整備が電気やガスと同じようにレベルを上げられるのか? がかかわってくるかもしれない。

 ユーザーは無情である。新しく、使い勝手がいいサービスがあれば、すぐに移行してしまう。ブログサービスの状況が変わらなければ、いまのブログバブルはあっという間にはじけ、派生が登場するに違いない。2007年のブログ動向に注視したい。

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