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» 2008年03月17日 12時30分 UPDATE

日本企業のためのスマートフォン導入術:INAXの製品たちを支える650台のhTc Z (1/4)

INAXメンテナンスは、製品サービスの作業支援端末にスマートフォンをhTc Zを採用した。全国に650台配備し、作業の迅速化と効率化、通信コスト削減に成功した。

[岡田靖,ITmedia]

 INAXメンテナンスは、INAX製品の修理やメンテナンスサービスを手掛けている。メンテナンスサービス体制は、全国4カ所のコールセンターおよび都道府県ごとに設置するサービスセンターに加えて、作業を担当する「CE(カスタマーエンジニア)」で構成されている。CEは、INAXメンテナンスと契約する個人事業者であり、全国で約600人が活動している。

 同社では、迅速的な対応と効率的なサービスを提供するため、CEの活動を支援するモバイルシステムに注力する。現在はNTTドコモのスマートフォン「hTc Z」を導入し、データ通信カードとPDA、携帯電話という従来の構成と比較して、作業の迅速化と効率化、通信コストの削減に取り組んでいるという。

inxmbisys01.jpg モバイルでCEの支援強化に取り組む島田氏と間瀬氏、葛谷氏(左から)

紙やFAXの全廃を果たしたモバイル端末

 CEの業務は、顧客から修理などの依頼を受けた各地のコールセンターから割り振られ、依頼を受けたCEは顧客と直接連絡を取り、訪問日時や作業内容を調整する。現場での作業を終えると作業報告書を顧客とINAXメンテナンスに提出し、作業料金の領収書発行や振り込み用の請求書を発行する。

 INAX製品は顧客の生活に欠かせない住宅設備であるため、修理など作業を正確で迅速にすることが求められる。顧客サービスの向上には、依頼後の連絡をいかに迅速化することが重要になる。従来は、INAXメンテナンスとCE間の連絡にFAXと電話を利用していた。その後は、携帯電話メールでCEへ依頼情報を送信するようにするなど、連絡体制を整備しつつ、2003年にモバイル端末を導入してペーパーレス化を実現したという。

 経営管理本部システム企画部部長の間瀬雅己氏は、「携帯電話とデータ通信カード、PDA、モバイルプリンターをCEに配備し、依頼から売上データまで処理する基幹システム『REBIUS』と連携させた。CE側には『FORCE』という専用アプリケーションを搭載し、必要な情報だけ端末に取り込んでオフラインでも処理できるようにした」と説明する。

 この段階では、CEの携帯電話にメールで作業依頼が通知され、CEはPDAを起動してFORCEで詳細情報を入手し、作業に着手する仕組みだった。FORCEでは、作業報告データの送信や、顧客への報告書、領収書の発行ができ、CEは文書類から解放された。FORCEの他にも製品技術を閲覧できるシステムが用意され、端末のWebブラウザ検索やPDFの技術情報を閲覧できるようにした。通信回線にはFOMAを使用している。

 「データサイズが大きく、大容量のモバイルデータ通信回線が必要だった。2003年当時はFOMA以外の選択肢は考えられなかった」(間瀬氏)。当時は場所によって接続しづらい地域もあったが、FORCEはオフラインでも動作できる仕様したため、CEの業務に耐えることができたという。

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