セブン-イレブン、社内パソコン5000台にVista導入互換性に「問題なし」

セブン-イレブンは、従業員が使う社内PC約5000台のOSを、Windows 2000からWindows Vistaに変更する。

» 2008年07月17日 08時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 コンビニエンスストアチェーンのセブン-イレブン・ジャパンは7月16日、社内の約5000台のPCに、マイクロソフトのOS「Microsoft Windows Vista Enterprise」(Windows Vista)および「Microsoft Office Professional Plus 2007」(2007 Office system)を導入すると発表した。

 同社は、全従業員が使う約5000台のPCについて、OSをWindows 2000からWindows Vistaに変更すると決定。1月に野村総合研究所が導入検証を始めた。約6カ月の検証期間を経て、約250の業務アプリケーションの移行をほぼ終了させた。「検証において、業務ソフトやアプリケーションなどの互換性について特に問題は出なかった」(セブン-イレブン・ジャパン広報)という。7月より運用のテストを始め、今秋に本格的な運用を始める見通しだ。

 約5000台のPCのうち、約4000台のPCはハードを入れ替え、約1000台は既存のPCを利用して、OSの入れ替えを行う。既存のPC1000台について、CPUはそのままでメモリを増強する。この対応により、デスクトップPCのCPUはCeleron 2.6GHz以上、ノートPCのCPUはIntel Pentium M 1.5GHz以上、メモリは1Gバイト以上のスペックになるという。「業務PCのため、Aeroグラスなどリソースを消費する機能は使用せず、チューニングした状態で使用する」(野村総合研究所広報)。

 セブン-イレブンでは、2002年からWindows2000の導入を開始しており、各PCのスペックは導入時期によって異なる。代表的な構成は「デスクトップPCが、CPUはIntel Celeron 800、メモリは256Mバイト、グラフィックボードはIntel 815 AGP チップセット。ノートPCは、CPUがモバイルIntel Pentium III 800MHz、メモリは256Mバイト、グラフィックボードはATI社製のRAGETM Mobility-M1 8Mバイト」(野村総合研究所)。

セキュリティレベルやサポート期間でVistaを選択

 同社は、社内システムの環境の再構築にあたり、Windows Vistaがセキュリティ機能を標準で備えていること、2007 Office systemの導入により、閲覧権の設定など適切な情報管理ができ、文書管理や共有の効率も上がることなどを評価し、導入を決めた。「製品のセキュリティレベルやサポートの提供期間などから、Windows XPではなくWindows Vistaが最良と判断した」(野村総合研究所)という。

 Vistaの導入により、HDD暗号化ソフトやPCマスタ展開ソフトなどを個別に購入する必要がなくなるなど、コスト削減ができる。新規PCを導入する時のマスタ作成の負荷やOSのセキュリティ強化の手間を軽減でき、管理工数の削減にもつながるという。

 セブン-イレブンは今後、社外で使用するモバイルPCの安全性を高めるため、セキュリティ機能「BitLocker」を活用して盗難対策をするとともに、サーバOS「Windows Server 2008」と連携したターミナルサービスの活用や検疫システムの導入を検討する。

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