特集
» 2008年09月11日 08時00分 UPDATE

トレンドはメモリ組み込み型:VMware ESXiで盛り上がる仮想化専用ブレード

ブレードサーバの仮想化専用モデルがアツい。VMware ESXiなどを組み込みんで出荷されるラインアップが増え、本格的なサーバ仮想化時代の到来を予感させる。

[大神企画,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「ブレードサーバでグリーン&仮想化」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


仮想化での利用を前提した新製品

 サーバベンダーが仮想化専用モデルを発売するきっかけとなったのが、ヴイエムウェアが2007年に発表した「VMware ESXi」である。これは、組み込み型のハイパーバイザ型仮想化ソフトウェアであり、管理用の汎用OSを導入することなく仮想マシンを起動できる。システムのディスク占有量は32Mバイト程度で、WindowsやLinuxなどの汎用OS上で稼働するハイパーバイザ型仮想化ソフトウェアに比べると、圧倒的に容量が小さい。また、汎用OSとは異なって仮想マシンを実行するだけに機能に絞り込まれており、セキュリティのリスクも低い。ブートはメモリから可能で起動用ハードディスクも不要なため、サーバの構成部品の中で最も障害が起きやすいハードディスクを搭載しないディスクレスの構成にもできる。また、2008年7月以降、VMware ESXiはヴイエムウェアから無償で提供されており、コスト面でも極めて有利だ。

 VMware ESXiが発表されると、各サーバベンダーはこぞって採用を表明した。当初は、ラックマウント型やタワー型のサーバからサポートを始めたベンダーが多い。

 最初にVMware ESXiを組み込んだサーバを発表したのがIBM。「IBM System x3850 M2 仮想化専用モデル」はヴイエムウェアが2007年11月に開催したプライベートショー「2007 VMware World」において、「Embedded hypervisor wins‘Best of Show’award」を獲得している。IBMは、「BladeCenter」でもVMware ESXiに対応。「IBM BladeCenter HS21XM 仮想化専用モデル」は、VMware ESXiをモジュラフラッシュドライブに組み込んでおり、2ウェイのクアッドコアXeon、最大32GBメモリを搭載する。

独自のVMware ESXiを採用したHP

基板上のUSBメモリにVMware ESXiを組み込み出荷 基板上のUSBメモリにVMware ESXiを組み込み出荷

 HPもVMware ESXiの対応をいち早く表明した。USBメモリにVMware ESXiを組み込んで提供する方式を採用しており、ラックマウント型、タワー型、ブレードサーバのそれぞれ一部機種に対応させている。USBメモリは、マザーボード上のUSBコネクタに装着する仕組みだ。

 HPが提供するVMware ESXiは、他社のOEM版とは若干異なっている。他社のOEM版は、ヴイエムウェアがダウンロード提供しているVMware ESXiと基本的に同機能だが、HPが提供する「VMware ESXi 3.5 for HP ProLiant」は独自の管理ツール「HP Systems Insight Manager」から適切に管理できるようにCIMプロバイダーが強化されている。また、「HP Virtual Machine Management Pack」を使って仮想マシンのOSが管理できるように、エージェント相当の機能も追加される。また、Update Manager、VMware High Availability、VMotionなどのVMware Infrastructure 3に含まれる管理機能を搭載した「VMware ESXi Enterprise」も提供しているのも、HPの特徴だ。

 VMware ESXi 3.5 for HP ProLiantが搭載可能なブレードサーバは、「HP ProLinat BL460c/BL465c/BL480c/BL680c/BL685c」の5機種。BL460cは最大64GBメモリ、BL680cは最大128GBメモリが内蔵できるなど、サーバ仮想化に適したスペックだといえる。

SANブートモデルに追加したNEC

 NECは、SANブート専用のディスクレスモデル「SIGMABLADE Express5800/120Bb-d6」のラインアップとしてVMware ESXiモデルを用意した。ブレード内部にVMware ESXiを格納した専用フラッシュメモリを内蔵できるUSBコネクタがある。ディスクレスの同製品は、ハードディスクがない分だけメモリスロットを増やしており、12スロットに最大48GBメモリが搭載可能。ゲストOSのインストールには、ファイバチャネルまたはiSCSIで接続されたストレージが必要となる。なお、SIGMABLADE向けに優れた管理機能を提供する「SigmaSystemCenter」は、残念ながらVMware ESXiをまだサポートしていない。

 デルは、IBMやHPと同様に、ブレードサーバ以外の「PowerEdgeサーバ」でもVMware ESXiをサポートしている。ブレードサーバでは、特にAMD Opteronプロセッサを搭載した「PowerEdge M605」をサーバ仮想化に適したモデルと位置づけているが、Xeonプロセッサを内蔵した「PowerEdge M600」でもVMware ESXiを導入することが可能だ。デルの特徴といえるのは、VMware ESXi以外もラインアップしているという点。「Citrix XenServer」の組み込み型を選択することも可能になっている。さらに、マイクロソフトの「Hyper-V」についても、将来の登場が見込まれる組み込み版も含め、対応を予定している。なお、Citrix XenServerについてはHPもサポートしているが、HPの場合は国内販売を未定としている。

 サンの「Sun Blade」は、VMware ESXiの組み込み版は対応せず、インストール版のみをサポートしている。ただし、日本国内では積極的なVMware ESXiのビジネスは展開していない。日立の「BladeSymphony」や富士通の「Primergyブレードサーバ」も、VMware ESXiの採用は現在のところ未定だ。

関連キーワード

VMware ESXi | 仮想化 | 組み込み


Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Loading

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ