企業IT最適化のゴールを目指す
ニュース
» 2008年10月02日 18時20分 公開

AdminIT Daily News:現場知とシステムの融合がコンセプト――日立「Cosminexus V8」

日立は10月2日、同社のSOA基盤製品「Cosminexus」の最新版を発表した。これまで属人的だったノウハウとシステムの融合を通じ、システム構築の“工業化”を図る。

[石森将文,ITmedia]

 日立製作所(以下、日立)は10月2日、アプリケーションサーバ製品の新バージョン「Cosminexus Version 8(以下、Cosminexus V8)」を発表し、報道陣に対し説明を行った。

 Cosminexus V8の開発コンセプトは「知識・ノウハウと、システムの融合」。それに基づき、業務ノウハウを可視化しシステムへ反映する新製品「uCosminexus Navigation Platform」を製品群に加えた。同製品は、業務ノウハウを企業内で共有し、改善するための可視化機能と位置付けられる。業務フローをPCのモニタ上で表現し、ベテランスタッフのノウハウを可視化する。また業務のボトルネックになっているフローを分析するための作業ログ取得や、バックエンドのシステム(データベースなど)との連携も可能となる。フローの設計にはGUIのデザイナーが用意され、設計、改善できる。

デモデザイナー画面 保険会社のコールセンター業務をサンプルとしたデモ(画像=左)、設計には専用のデザイナーが用意される(画像=右)

Full GCの発生を抑制

中村氏 日立 ソフトウェア事業部 中村孝男 事業部長

 アプリケーションサーバとしての基本機能に関しても強化が図られた。一般的にJavaベースのWebシステムでは、ガベージコレクション(GC)と呼ばれる未使用メモリの自動開放処理が、定期的に行われる。特にFull GCが発生すると、その処理に長時間CPUリソースが占有され、サービスのオーバーヘッドとなっていた。また物理メモリを増やすと、ガベージコレクターがメモリ領域を“なめる”時間が増大し、さらにレスポンス低下を招くこともあった。サービスレベル維持の観点からすると、冗長構成をとったり運用設計に手間かけたりという負荷が管理者側に発生していた。

 この問題を解消するため「uCosminexus Application Server」では、Javaヒープに滞留するセッションオブジェクトを自動的に別領域で管理する。別管理された長寿命のメモリ領域は、再起動時などにまとめて開放されるため、サービスがオンライン時のFull GCは基本的に発生しない(日立では「Full GCレス」と表現)。結果として、Webサービスの“Stop The World(一定時間応答のない状態)”を防ぐという。

 2008年12月には、SOAのベストプラクティスを創出、共有することを目的に「Cosminexusパートナーコミュニティ」を新設する。Cosminexusを扱うパートナー企業であれば、特に参加資格は設けられない。参加パートナーには「SIナビ」というツールが提供される。これは、日立が「リファレンスアーキテクチャ」として蓄積してきたSOA基盤の構築/設計ノウハウをベースに、今回新たにツール化されたもの。

林氏 日立 ソフトウェア事業部 ネットワークソフトウェア本部 林重年 本部長

 システム導入を担当するパートナーは、SIナビ上でシステムパターンを選択し方針、運用などの基本設計に必要な情報を確認すれば、ナビゲーションに従ってサイジングを含めた設計ができる。定義ファイルや運用バッチ、シェルも生成できる。「通常、数100ものパラメータを設定するところ、数10程度の設定で済む。F5のロードバランサーや、Oracle、HiRDB、SQL Serverといったデータベース製品の物理設計情報もカバーする」(日立 ソフトウェア事業部 林 本部長)

 またSIナビの提供に加え、パートナーには「ケーススタディやベストプラクティスに関連する技術情報の提供」、「アプリケーション開発環境の無償貸与」、「AP基盤技術支援センタの設置による技術支援の強化」といった施策が予定されている。

 「オラクルによるBEA買収という市場背景もある。シェアを拡大するにはパートナーにCosminexusを担いでもらうことが不可欠」と日立 ソフトウェア事業部 中村事業部長は話す。ユーザーが有する現場知と、パートナーが蓄積したノウハウを可視化、共有し、システム構築の工業化(システム化)を目指すという。これにより日立では、基盤構築の工期を従来比約40%短縮できると算出している。

Full GCSIナビ Full GC発生回避の仕組み(画像=左)、日立のノウハウでパートナーを支援するSIナビ(画像=右)

 主な製品の価格と出荷時期は次の通り。

製品 概要 税込価格 出荷時期
uCosminexus Navigation Platform 業務ノウハウの可視化・システム化のナビゲーションを行う 840万円〜 2009年2月27日
uCosminexus Application Server アプリケーションサーバ機能を担う 126万円 2008年11月28日
uCosminexus電子フォームワークフロー 電子フォームワークフロー製品 94万5000円〜 2009年3月31日
uCosminexus Service Platform 業務プロセス統合基盤製品 441万円〜 2008年12月26日
uCosminexus EUR 帳票出力製品 21万円〜

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -