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日立 JP1 V9:クラウド時代の運用管理は「業務観点」が決め手に

日立製作所は、6月30日に開催された「JP1新製品セミナー」で、同月3日に販売開始されている、最新バージョン「JP1 V9」の概要について発表した。


クラウド時代の「意欲作」

 クラウドコンピューティングが企業のIT環境を大きく変えようとしている中、個々の企業やデータセンター事業者などでは、その運用管理の能力の優劣が大きな影響を及ぼすことになる。こうした状況を踏まえて、11年連続でこの分野でトップシェアを継続している(富士キメラ総研などの調査による)JP1も大幅な機能強化を図っている。

 なんと言っても、クラウドコンピューティングの大きな魅力は、ITリソースの効率化を大幅に進めることができる点だ。ただし、一方で仮想化技術を駆使することによって、集約化されたITリソースの管理はこれまで以上に、担当者に大きな負担を強いる側面がある。個別最適化されているケースが多かった企業システムのリソースが集約されることで、全体の状況把握に時間がかかるなどの懸念が発生したり、部分的なシステム変更による他システムへの影響度に対してもより慎重な対応が求められる事例が増えてきているという。

 今回席上で説明のあった最新バージョンのJP1 V9は、エージェントレスで現状を把握し効率的にリソースプランニングができる仕組みになっている。また物理サーバと仮想サーバ両面からの継続的な監視によって、仮想マシンだけの監視ではなかなか実態がつかめず、的確なチューニングができないという問題点を克服している。

 ただ、日立製作所 情報通信グループ ソフトウェア事業部の清水英則部長は、今回のバージョンアップの目玉はそれだけではないと話す。

 「今回の新バージョンでは、『真の全体最適を実現するには』というテーマに真正面から取り組んだ。仮想マシンを管理する機能強化も十分に尽くしたが、それだけでITの全体最適が実現できるわけではない。今後、クラウドコンピューティングの本来のパワーを享受するには、業務観点というアプローチが欠かせない」

 例えば、システムの中で、受注業務と集計業務とERP業務などの業務を全体としてストップさせることなく進行させ、随時発生する変更にも対応するためには、単にリソースの集約、監視だけでは不十分となる可能性がある。業務全体の業務量の変化を把握して対応しなくては、クラウド本来のメリットが薄まっていくことも考えられるわけだ。

 そこで、JP1 V9では重要な業務を効率的に監視を行い、ジョブスケジューラの起動性能を従来の10倍(日立製作所による実測数値)に向上させるなどして、業務量の増加、集中に柔軟に対応できるようにした。

 クラウド化が進行しても、システムを野放図に肥大化させてはならないのは当然のこと。業務量の変動に柔軟に対応できなければ、ITコストの低減化も思うようにいかなくなる。そうした意味でJP1 V9は、クラウド時代にこれから多くのユーザーが直面する問題を、先取りして解決していこうという「意欲作」だといえるだろう。

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