Microsoft幹部、Windows 7の“ハッキング”発言について弁明

Windowsの違法なアップグレード行為を“ハック”としたMicrosoftの公式ブログが炎上し、発言した幹部が弁明した。

» 2009年11月05日 16時19分 公開
[Nicholas Kolakowski,eWEEK]
eWEEK

 エリック・リグマン氏は一部のユーザーからの反発で動揺しているようだ。

 Microsoftワールドワイドパートナー部門でグローバルパートナーエクスペリエンス担当責任者を務めるリグマン氏は、「Microsoft SMB Community Blog」の10月27日付の投稿で、Windows 7のアップグレードディスクを使って空のHDDにOSをクリーンインストールしているユーザーについて述べた

 リグマン氏はこの記事の中で、そのような行為は違法であることを強調した。「これらのコメントや書き込みは、ソフトウェアのアップグレードディスクからクリーンインストールが可能だと述べるだけで、アップグレード用ソフトウェアを使って合法的にインストールするには要件を満たすソフトウェアライセンスを所有している必要があることに触れていない。これは、技術的に可能であれば、その行為は合法的であるという印象を与えるものだ」と同氏は説明している。

 MicrosoftのEULA(使用許諾契約書)によれば、ユーザーが(合法的に)アップグレードするためには、従来版のWindowsに付いている「条件を満たすフルライセンス」を既に保有していなければならない。

 リグマン氏はこの違法なアップグレード行為を“ハック”と呼んだが、これは一部のWindowsユーザーの間で少しばかり怒りを買ったようで、彼らはリグマン氏のブログ記事に一斉にコメントを投稿した。リグマン氏はこれに対して長文のブログ記事で反論し、これらのコメントを2つの考え方に分類した。

  1. 明らかに“陰謀理論”が存在する
  2. “最初に結論ありき”というレンズを通した見方が多い

 ユーザーからのコメントの中には、MicrosoftはOSを導入しようとしている顧客やパートナーに協力するのに消極的だと指摘したものもある。リグマン氏はこれらのコメントを“陰謀理論”に分類した上で、「Microsoftがすべての顧客およびパートナーの満足とエクスペリエンスの改善に向けて真剣に努力していることは、100%間違いないと保証できる」と反論している。

 リグマン氏は、“結論ありきのレンズ”を通じて見ていると同氏が考えるコメント投稿者に対しては長い文章で反論している。

 わたしの記事に対して直接、あるいはそれに関するほかの記事を通じてコメントを書いている多くの人々が、わたしの記事を読む前から何が書かれているか知っていると考えているか、記事を最後まで読まないで最終的な結論を出したりコメントを書いたりしているのは極めて明らかであるようだ。

 リグマン氏の心痛はよく分かる。本当だ。

 リグマン氏は、多くのコメント投稿者が同氏の言葉を注意深く解釈しようとしなかった(「あなた方が適切なライセンスを保有していれば、利用可能あるいは不可能な手順に頼らなくてもクリーンインストールすることができると、わたしははっきり述べたはずだ」)と指摘した上で、“ハック”というのは、特定の個人ではなく、違法なアップグレードプロセスそのものに対して向けられた言葉だと主張している。

 わたしが記事の中で使っている“ハック”という言葉は、“誰が”ではなく“何が”を指したものだ。Merriam-Webster辞典で“ハック”の定義を確かめていただきたい(わたしはその定義を知っている。最初の記事を投稿する前に、わたしが使っている用語が正確であることを確認したからだ)。

“ハック - 一般にコンピュータハードウェアまたはプログラミング上の問題や制約に対する創造的なソリューション”

 3000ワードに及ぶ投稿記事はさておき、全体的な状況から導き出せる具体的な結論は次のようなものだろう。

  1. Microsoftは今後も、「条件を満たすフルライセンス」なしにWindows 7にアップグレードすることは違法だと見なす
  2. 心当たりのある人はすべて、この事実を受け入れる必要がある

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