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» 2009年12月08日 08時00分 UPDATE

エコシステム・マーケティングの威力:神頼みマーケティングからの脱却 (1/2)

企業と消費者のつながり方が劇的に変わろうとしている中、広告を一方的に流すという旧来型のマーケティングは通用しない。複数の企業がパートナーとなり、消費者と直接的なつながりを作っていく「エコシステム・マーケティング」の可能性を探る。

[本荘修二,ITmedia]

 いま企業と消費者のつながり方が劇的に変わろうとしている。自社でメディアを持ち、消費者と直接つながることができるようになった企業は、戦略の自由度が大きく広がった。このマーケティングの進化の渦は、メディア業界の在り方をも揺さぶる可能性がある。

 テレビ局、新聞社、出版社、広告代理店はこの変化に気付いているのだろうか? メーカーなどの事業会社は、自社メディアを駆使しながらコンテンツやサービスを提供することを、マーケティング上の重点施策とする。そういう時代が訪れようとしているのだ。

 最先端の企業は消費者との距離をどのように取ろうとしているのか。新しいマーケティングの方向性とそれが示唆する大きな変化とは何なのか。筆者と日本コカ・コーラの江端浩人氏が上梓した『コカ・コーラ パークが挑戦する エコシステム・マーケティング』の内容を基に、3回にわたって議論を進めていく。

神頼みからの脱却

 「No more spray and pray(神頼みはもうやめよう)

 こう語ったのは、Coca Colaでチーフマーケティング&コマーシャルオフィサーを務めるジョー・トリポディ氏だ。このメッセージは、主に地上波テレビCMを大量投下(spray:噴霧する)し、消費者に一方的に広告を流してうまく当たってくれることを祈る(pray)のはもう止めようという内容だ。

 しかし、このメッセージは単にテレビCMを減らしてネット広告を増やせばいいという論調とは似て非なるものだ。消費者とのつながり方を考え直し、より確かな結果を生むマーケティングに進化せよ、というメッセージと受け取った方がいい。

 もちろんデジタルネットワークの進展で社会がネット化したことは大きな変化だ。だが、メディアごとにバラバラにマーケティングを考えていては、高い効果は期待できない。消費者から見れば、どういうメディアであろうが、そのブランドや企業と接することに変わりはないのだ。

 近年、「IMC」(Integrated Marketing Communications)と呼ぶマーケティングのコンセプトが注目を集めている。消費者の視点で一貫したメッセージを提供し、消費者の価値や体験の創造、醸成を目指すという考え方だ。これは複数のメディアで同様のクリエイティブ(制作物)を見せ、作り手の視点で露出を最大化する「360度マーケティング」とは一線を画すものといえる。

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