NEC、中堅中小向けSaaS事業を拡大――販社向けにサービス基盤の提供も

NECとNECネクサソリューションズは、中堅中小向けSaaS事業において人員とポートフォリオを拡大する。パートナープログラムを通じた、販社向けのサービス基盤提供も図る。

» 2010年02月15日 19時54分 公開
[石森将文,ITmedia]
NEC 龍野康次郎 執行役員 NEC 龍野康次郎 執行役員

 NECとNECネクサソリューションズは2月15日、中堅中小企業向けSaaS事業の体系化と、200人規模のパートナー支援専門部隊および支援プログラム(NEC SaaSパートナープログラム)の新設を発表。200億円規模の事業化を目指すという。

 具体的には、クラウド型ERP「EXPLANNER for SaaS」をポートフォリオの中核に据え、その周辺の業務システム、メールやポータルなどのフロントシステム、そして各種業界向けパッケージを強化していく。加えて会計や人事給与、またコールセンターといったBPO分野も含む形で範囲を広げ、現在の約15種のサービスを、2010年度上期中に約50種に拡大する。最終的には、中堅中小企業の情報システム部門が担うシステム領域について、ほぼ網羅するという。説明に立ったNECの龍野康次郎 執行役員は「中堅中小企業向けSaaS事業で“ダントツ”を目指す」と話す。

 またNECは、SaaS事業のホスティング基盤および共通コンポーネントやサービス連携部分、そして開発フレームワークを「中堅中小向けサービス基盤」としてパートナー各社に提供する。これによりパートナー各社は、(NEC以外の)ソフトウェア製品を組み込んだ形でユーザーに提供したり、SaaSだからこそ期待される迅速な環境構築を果たせたりするという。「NECの製品だけで囲い込むのではなく、“自社+他社+販社”の製品群でニーズをカバーする」(龍野 執行役員)

 なおユーザー向けには2010年5月から、SaaSアプリケーションの専用ポータルサイトを提供する。そこでは試行的にデータを入力するなどして操作感を体験できるため、SaaSの利用イメージを鮮明化できるという。第1弾としてはEXPLANNER for SaaSの体験型サイトが開設され、その後順次、対象サービスを拡大する見込み。


NECが目指す、中堅中小企業向けSaaSソリューションの体系 NECが目指す、中堅中小企業向けSaaSソリューションの体系

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