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» 2010年09月02日 17時22分 UPDATE

SaaS型メールの利用状況、Proofpointが米国のユーザー企業を紹介

自社運用型メールシステムの課題をSaaSの活用でどう解決するか――Proofpointがユーザー企業の事例を紹介し、国内企業に利用を呼び掛けた。

[國谷武史,ITmedia]

 電子メールは、ビジネスの重要な手段となり、企業での中心的なシステムの1つに位置付けられる。可用性の確保や重要情報の管理の点から自社運用(オンプレミス)が一般的だが、最近はSaaS型の導入が進みつつあるという。ユーザーカンファレンス出席のために来日した米Proofpointの幹部がSaaS型メールを導入した企業の目的や利用状況について、同社の取り組みを交えて紹介した。

proofpoint01.jpg Proofpointのディーン・スミス氏(左)とダン・ムーボス氏

 オンプレミスのメールシステムが抱える問題について、ワールドワイド・セールス&サービス担当シニアバイスプレジデントのディーン・スミス氏は「スパムの増加」「誤送信による情報漏えい」「運用コスト」「拡張性の乏しさ」を挙げる。同社ではスパム対策や暗号化などのメールセキュリティ、アーカイブ機能を持つアプライアンス製品を手掛けてきたが、こうしたメールにかかわる企業の課題に対処するため、近年はSaaS形態でのメールサービスにも注力する。

 SaaSの主なメリットには、ユーザーがシステムを資産として保有しない点や利用規模を柔軟に変更できる点が挙げられる。スミス氏によれば、SaaS型メールサービスの利用でこうしたメリットを手に入れることができるという。

 同社のサービスは、従来のアプライアンスによる自社保有のシステムとサービスを組み合わせて利用できるハイブリット型が最大の特徴である。同社の顧客企業は、メール環境のすべてをSaaSに移行した企業と、ハイブリットで運用している企業に分かれる。

 例えばホンダの米国法人はメール環境のすべてをSaaSに移行した。SaaSを利用する目的は、コスト削減と知的財産の保護であり、2008年のリーマンショックを契機にした自動車産業の不況下で、スミス氏が挙げた課題の解決手段としてSaaSを選択したという。

 ブリヂストンの米国法人は、本部ではオンプレミスを採用し、地方拠点でSaaSを利用する同社の場合、全社共通のセキュリティポリシーを実施しつつも、拠点での運用コストを削減する目的でハイブリット型を選択した。

 また金融大手のWachoviaは、リーマンショックの影響を大きく受けたことで収益が低下した。リストラやIT投資予算の削減といった課題に直面した。同社を狙ったメールによるサイバー攻撃も発生したという。テクニカル・セールス&サービス担当バイスプレジデントのダン・ムーボス氏は、「金融危機の直後、同社のメールシステムは厳しい状況にあった。オンプレミスで対処すれば数カ月を要したが、SaaSを選択したことで1週間で対応でき、結果的にコストも3割削減できた」と話す。

 2008年に当時米国で最大規模の顧客情報の漏えい事件が発生した流通大手のTJXも、同社のSaaSサービスのユーザー企業である。「再発防止策を急いで構築しなければならない中で、SaaSによる情報漏えい対策を選択した」(スミス氏)

 SaaSの利用に伴うメリットは多いが、一方でサービスの可用性や自社の外に重要なデータを預けることでの安全性に不安を感じる企業もある。

 これらの点について、スミス氏は「利用料金に応じたサービス品質保証(SLA)をきめ細かく設定しており、その徹底に最も気を配っている」と話す。また、データの安全性の面ではメールをすべて暗号化して鍵の管理はユーザーが行う仕組みにしている。ムーボス氏は「データセンターは北米と欧州にある。われわれがユーザーのデータを見ることは不可能であり、日本で利用すれば海外にデータを預けることになるが、セキュリティ面は安心していただきたい」と述べた。

 スミス氏は、こうしたサービス形態によりSaaS型メールは企業規模を問わない実用的な手段であると強調している。

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