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» 2011年07月11日 08時00分 UPDATE

Weekly Memo:マイクロソフトが予告する新たなWindows Azureパートナー

マイクロソフトがWindows Azureの協業パートナー拡大を急いでいる。とくにシステム開発を含めたパートナーとして、富士通に続く日本メーカーの名も挙がっているようだ。

[松岡功,ITmedia]

グローバルパートナーシップを強調

「2011年度は、富士通やトヨタ自動車とグローバルレベルのパートナーシップを結ぶことができた」

 日本マイクロソフトの樋口泰行社長は7月6日、同社が開いた2012年度(2011年7月1日−2012年6月30日)の経営方針説明会でこう語った。

 経営方針説明会に臨む日本マイクロソフトの樋口泰行社長 経営方針説明会に臨む日本マイクロソフトの樋口泰行社長

 同社が2011年度に推進した主な事業を5つ挙げたうちの1つに取り上げた「グローバルレベルのパートナーシップ」。富士通およびトヨタ自動車とは、マイクロソフトのPaaS事業である「Windows Azure Platform」を活用したクラウドサービスにおける戦略的提携を図ったものだ。

 樋口社長はこうした動きを含め、クラウド事業におけるパートナーシップの推進についてこう語った。

「マイクロソフトにとっては、クラウド事業においてもパートナーシップの推進が基本戦略。2011年度内に国内のクラウドパートナーを1000社規模にしようと努めてきたが、現時点で1025社を数えるに至った。ソリューション群や販売・サポート体制もここにきて大幅に強化・拡充したことから、“クラウド元年”だった2011年度から、2012年度はクラウド事業を一気に本格化させていきたい」

 そして、富士通やトヨタ自動車とグローバルパートナーシップを結んだWindows Azure Platformを活用したクラウドサービスについて、とくにこう強調した。

「この分野については、まだ正式に決まっていないのでここでは明らかにできないが、相次いでスケールの大きな協業の話をさせていただいている状況だ。時期が来れば、逐次発表していきたい」

 この樋口社長の発言は、もはや新たなWindows Azureパートナー発表の“予告”そのものだ。中でも注目されるのは、富士通と同じ形態のパートナーが出てくるのか、それはどこか、である。

NECもWindows Azureパートナーに

 富士通と同じ形態のパートナーとはどういうことか。

 マイクロソフトは、Windows Azure Platformについては富士通をはじめ、米Hewlett-Packard(HP)、米Dellと戦略的提携を結び、Windows Azure Platformを運用できるシステム基盤を開発するとともに、3社のデータセンターからそのシステムを活用したクラウドサービスを提供できるようにした。

 言い換えれば、Windows Azure Platformを活用したクラウドサービスを自社のデータセンターから提供できるのは、現時点で富士通、HP、Dellの3社しかない。

 なぜか。マイクロソフトが提供する「Windows Azure Platform appliance」を組み込む形になるPCサーバのグローバルシェアにおいて、上位を競うのがこの3社だからだ。

 中でもマイクロソフトは、HPやDellに先行して富士通との協業サービスを発表。両社の蜜月ぶりを見せつけた。この動きについては、6月8日掲載のニュース解説記事「Windows Azureサービス協業:蜜月ぶりが目立った富士通とMicrosoft」を参照いただきたい。

 実はそのニュース解説記事で、筆者は次のように書いた。

 今後、注目されるのは、富士通のほかに同様のサービスを手がける日本のシステムベンダーが出てくるのかどうかだ。この点を日本マイクロソフトの広報担当者に聞いたところ、「富士通との協業は国内向けサービスにおいても独占的な契約ではないが、現時点で同様の話を進めているところはない」とのことだった。

 およそ1カ月前の広報担当者のコメントと、今回の説明会で樋口社長が発言した“予告”は、つじつまが合わないのではないか。

 筆者の記事執筆責任もあるので、ここはひとつ、富士通のほかに同様のサービスを手がける日本のシステムベンダーをNECと特定して、説明会後に単刀直入に聞いてみた。

 答えてくれたのは、日本マイクロソフトのWindows Azure事業責任者でもある五十嵐光喜 業務執行役員エンタープライズパートナー営業統括本部 統括本部長である。

「NECとは現在交渉を進めており、Windows Azure Platform applianceに関する提携とともに、お互いの強みを生かした幅広い協業について検討している。早ければ今秋にも発表できると思う」

 明快な回答である。ちなみに、1カ月前の広報担当者の「現時点で同様の話を進めているところはない」とのコメントは怪しいが、マイクロソフトと富士通が戦略的提携合意を明らかにした2010年7月時点では、NECも寝耳に水だったようだ。

 また、五十嵐氏によると、グローバルで見れば、NECと同様の提携交渉を進めているシステムベンダーはほかにもあるとし、今後のWindows Azure戦略展開をこう語った。

「今後1〜2年はWindows Azure Platform applianceに基づくシステム基盤づくりと、データセンター運営委託パートナーとの連携強化に力を入れる。そのベースを活用して、その後はシステムインテグレーターなどにデータセンター運営委託パートナーを広げていくとともに、プライベートクラウド需要に対応していく」

 このマイクロソフトのWindows Azure戦略は、クラウドサービスにおけるデータの在り方を根本から変えるものでもある。その観点からも大いに注目したい。

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