エンタープライズ向けストレージに最上位モデルとなる新製品を追加。ストレージ仮想化の新たなソリューションも発表した。
EMCジャパンは6月8日、エンタープライズ向けストレージ「EMC Symmetrix VMAXファミリ」の新製品で最上位モデルとなる「EMC Symmetrix VMAX 40K」およびストレージ仮想化ソリューションの新商品「EMC VPLEX 5.1」を発売した。
MC Symmetrix VMAX 40Kは、従来に比べて2倍となる最大4ペタバイト容量を持つシリーズ最上位モデル。EMC Symmetrix VMAXファミリでは2ペタバイト容量の「Symmetrix VMAX」と最大1ペタバイトクラスの「Symmetrix VMAXe」の2機種をラインアップしていたが、40Kの発売に合わせて「Symmetrix VMAX 20K」「Symmetrix VMAX 10K」に製品名を変更している。
VMAX 40Kでは容量の増加に伴ってストレージエンジンの能力を強化、最大キャッシュ容量を2倍に増やし、ストレージエンジン間接続も2倍の帯域に広げた。搭載ディスク(HDDやSSD)は3.5インチに加えて2.5インチにも対応。これにより設置面積や消費電力を節約できるという。2.5インチのSSDでは多数のデータ書き込みが可能な「eMLC(エンタープライズ・マルチレベルセル)」を採用、SLC(シングルレベルセル)に対し、容量単価では20%ほど安価だが、SLCと同等の性能や耐久性、信頼性を実現したという。
筐体間の接続ではこれまで以上に長い配線ができるようになった。筐体同士を近づける必要がなくなり、広い空きスペースを確保できなくても狭いスペースをつないでシステムを構成するといった多様なレイアウトが取れるという。
VMAXファミリの刷新に伴い、ストレージOSも新バージョンを提供。外部ストレージ装置の管理機能「Federated Tiered Storage」(FTS)が利用でき、管理画面のGUIを同社のその他のストレージ製品と統一して、複数機種が混在する環境での管理を容易にした。
EMC VPLEXは、データセンター内に加えて地理的に離れたデータセンターのストレージを、仮想的に共通のストレージプールとして利用できるようにする「分散ストレージ連携ソリューション」。アクティブ・アクティブ構成がとれ、広域災害などのリスクに備えて2つのデータセンター間を連携させながら、双方を効率良く利用できるという。「Oracle RAC」認定も受け、最長100キロのアクティブ・アクティブRAC環境に対応する。今回はOS機能を強化し、パフォーマンスを約40%向上させ、拡張性も2倍に高めた。
EMCは5月21〜24日に米国で「EMC World」を開催し、42種類の新製品や新バージョンの製品を発表。順次発売するとしており、国内でもVMAX 40Kを皮切りに発売するという。
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