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» 2012年08月02日 09時00分 UPDATE

現地からリポート:オリンピックに沸くロンドン市内で見た最新IT事情

オリンピックをきっかけに、公共交通機関や店舗などロンドン市内のさまざまな場所でITの活用が進んでいます。

[生澤理恵,ITmedia]

 待ちに待ったロンドンオリンピックが開幕しました。早くも日本勢のメダル獲得ラッシュで盛り上がっています。今後行われる競技からも目が離せませんね。

 さて、私はロンドン在住歴約4カ月と、まだまだロンドナー(ロンドンっ子)としては若輩者ではありますが、今回、オリンピック一色のロンドン市内で見掛けたIT活用について、「居住者にとっても観光客にとっても嬉しい!」と思えるものを紹介します。

カードで済ますロンドン市民

 ロンドンで生活してみて日本と違うなと感じたことの1つが、デビットカードやクレジットカードで日常生活におけるほとんどの決済ができる点です。スーパーマーケットのレジでたった1本のペットボトルを買うために暗証番号をいちいち入力していても、誰も怒りません。そもそもスーパーマーケットで、自分の前に並んで会計をしている人がレジ担当者と雑談(本当に会計とは無関係な雑談です)をしていても、急かさないのがロンドナー。どうしてもイライラするならセルフレジにでも行けば良いということなのでしょうか。

 とはいえ日本から来た身としては、電子マネーやおサイフケータイのように、タッチするだけで会計が終了する、あの手軽さが恋しいわけですが。

ロンドンバスや郵便局にもNFCが導入

 日本で昨今話題になりつつあるNFC(Near Field Communication)は、イギリスでも街頭広告の実験や飲食店店頭での来店客に対するプレゼントサービスなどで用いられています。しかし、私が飲食店やデパート、スーパーマーケットで買い物していて、コンタクトレス決済の端末をたまに見かけることはあっても、実際に使われている場面を見ることはありませんでした。そんな中、オリンピックでたくさんの観光客を迎え入れるにあたり、ロンドンのさまざまな場所でNFCを用いた決済が盛り上がりを見せるというニュースは朗報でした。

街中にあるコンタクトレス決済端末 街中にあるコンタクトレス決済端末

 具体的には、クレジットカード会社のVisaと韓Samsungが後援する選手などに対して、Visa PayWaveのモバイル決済用アプリが入った特別仕様の「Galaxy S III」を配布するというニュースがあります。Visaによれば、利用者は20ポンド(現在のレートで約2500円)以下の金額であれば暗証番号を入力せずに決済でき、飲食店やスーパー、デパートからタクシーに至るまで、イギリス国内のさまざまな場所でコンタクトレス決済の恩恵を受けることができるとのことです。

 また、ロンドン交通局(TfL: Transport for London)は、オリンピックに向けてロンドンバスの一部車両にコンタクトレス決済用のカードリーダーを設置しました。このリーダーによりNFCを搭載した携帯電話や、EMV Contactless仕様に対応したクレジットカードおよびデビットカードで乗車料金を支払えるようになります。TfLはいずれ地下鉄などそのほかの交通機関にも同様の仕組みを広げる予定で、まずは年内にすべてのバスへの展開を完了させることを目指しています。

 さらにポストオフィス(ロイヤルメールが運営する、日本で言うところの郵便局)も、今年10月末までにイギリス国内の全支店にコンタクトレス決済用POS端末を設置すると表明しており、すでにオリンピック開催場所に近い200支店から順に設置を始めています。設置予定の端末数は全部で3万台、全支店への展開が無事に完了すれば単体の小売業が有する端末規模としてはEU内最大規模となるそうです。また、イギリス国内の端末数合計も14万台に到達すると言われ、これもまたEU内で最大の規模となります。

 NFCを利用したモバイル決済はセキュリティ面で脆弱性がみられるなど、今後の課題となりそうな指摘もありますが、オリンピックをきっかけとした今回の流れによって、NFCがそれら課題を解決しながらイギリス国内、ひいてはEU全体で大きく普及していくであろうことが期待できます。

地下鉄で無料Wi-Fiが利用可能に

 今夏より地下鉄駅構内でVirgin Mediaの提供によるWi-Fiが利用できるようになりました。現在はまだ予定されているすべての駅で利用可能になっているわけではありませんが、夏の間には70駅にWi-Fiが設置される見込みで、パラリンピックが終了する今年9月までは誰でも無料で使えるそうです。

地下鉄ボンドストリート駅のホーム 地下鉄ボンドストリート駅のホーム

 残念ながら地下鉄走行中の通話やインターネット利用はできないため、駅のプラットフォームや改札などの駅構内に限られてしまいますが、そもそも地下鉄の駅では3Gの電波が届かない場合が多いので(キャリアによるかもしれません)、これはロンドナーにとっても待望のサービスであるといえるでしょう。

 訪れたい観光場所や店舗について、駅構内でグーグルマップを開いて郵便番号を入力し(郵便番号を把握していればほぼ正確な場所が分かります)、あらかじめ経路を表示しておけば、迷う心配はありません。

 また、駅からバスで乗り継ぐ場合は、日本でもおなじみのバスロケーションシステムが交通局から提供されていますので、バス停の場所とバス到着までの時間(分単位)を把握しておくと、渋滞や行き先の急な変更によりバスが遅れてしまう場合でも、イライラしないですみます。

 短期間の滞在なら海外パケット通信の料金もさほど大きな金額にはならないかもしれませんが、観光中の費用を極力を抑えたいという方は、スターバックスをはじめとする飲食店などのWi-Fiに加えて、地下鉄駅のWi-Fiを上手に活用すると良いのではないでしょうか。

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