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» 2012年09月11日 16時04分 UPDATE

グローバル市場もローカル市場も深耕するIBMの事業戦略

米IBM幹部陣と日本IBMのマーティン・イェッター社長らが事業戦略を説明。大阪、名古屋、仙台、福岡に新たな営業拠点を新設し、地方企業顧客の開拓を進めると表明した。

[國谷武史,ITmedia]
tkibm01.jpg マーティン・イェッター 日本IBM社長

 日本IBMは9月11日、創立75周年を記念するカンファレンスの開催に併せて都内で記者会見を開き、米IBMのシニアバイスプレジデント陣と日本IBMのマーティン・イェッター社長が事業戦略を説明した。新たに大阪、名古屋、仙台、福岡の4都市に営業拠点を開設し、地方企業顧客の開拓に注力する方針を明らかにしている。

 イェッター氏は、IBMが推進する2015年までの経営計画において日本市場での新たな成長が重要になるとし、付加価値の高いソリューションや新たなコンピューティング環境の提供、それらによる新市場や新規顧客の創出が、同社の成長につながると説明した。

 5月の社長就任以降、同氏はさまざまな社内変革を推進しており、特に営業面では7月に新体制を発足。首都圏を中心とする大手企業顧客だけでなく、地方の企業顧客やビジネスパートナーとの関係の構築・強化を重視する。4都市での拠点開設もこうした取り組みの一環になるという。

 日本市場で事業を強化する狙いについてイェッター氏は、「IBMにとって日本は世界2位の市場規模であり、東京だけでもフランス1カ国に相当する。国内にはさらに多くのビジネスチャンスがある」と述べている。

tkibm02.jpg 地域密着型ビジネスが顧客企業の成長、さらには、日本のIT市場の拡大につながるとみる

スマート化するIBM

 イェッター氏は、2015年までの経営計画の目標として、1株当たりの純利益20ドルの達成を挙げ、年率2けた成長の必達が不可欠との見方を示す。このために同社は、「スマータープラネット」「ビジネスアナリティクス」「クラウド」「成長市場」の4つを成長領域に掲げ、付加価値の高いソリューションや新たなコンピューティング環境の提供による新市場や新規顧客の創出を目指すとしている。

 同社での具体的な取り組みについて、シニアバイスプレジデントのマイク・ローディン氏(ソフトウェアソリューションズグループ担当)、リンダ・サンフォード氏(エンタープライズ トランスフォーメーション担当)、エリック・クレメンティ氏(グローバルテクノロジーサービス担当)、ブルーノ・ディレオ氏(セールスおよび物流担当)が説明した。

tkibm03.jpg 2015年を目標とする成長計画の骨子

 ローディン氏が担当するソフトウェアビジネスは、2011年の税引き前利益の43%を占めたが、2015年には50%に引き上げる計画。同氏は、基幹向けソリューション「Expert Integrated Systems」やミドルウェアソリューション、業界別ソリューションを軸とする広範なソリューションポートフォリオを持って、企業顧客に新たな価値を提供していくと述べた。

 サンフォード氏は、ビジネスアナリティクスを活用した業務効率化など、IBM社内における変革への取り組み事例を挙げながら、同社自身の体験・ノウハウが顧客企業の変革の一助になるとした。クレメンティ氏は、統合化や自動化、効率化によって同社が提供するITサービスを、付加価値の高いものへと進化させてきた過程を紹介。現在ではその中心的な役割を果たすのがクラウドであり、既に4000件以上のクラウド構築プロジェクトを成功させたと説明する。クラウドサービス「IBM Smarter Cloud Services」などのクラウドサービスを基軸に展開する方針だ。

 ディレオ氏は、4つの成長領域に関して人の観点からより良い社会を創造するという「スマーター・シティ」の取り組みを紹介。都市計画やエネルギー変革、教育変革、医療改革などのさまざまな変革プロジェクトが、2011年だけで世界2400都市で行われ、日本でも北九州市(エネルギー管理)や仙台市(都市計画)、札幌市(エネルギー基盤刷新)のプロジェクトに同社が協力しているという。国内に新規開設される拠点でも「スマーター・シティ」のビジネスが大きな比重を占めるとみている。

tkibm04.jpg シニアバイスプレジデント陣が一堂に会する機会はグローバルでもあまり無い(左からローディン氏、サンフォード氏、クレメンティ氏、ディレオ氏、イェッター氏)

 こうしたIBMのグローバル事業戦略と国内の事業戦略との関係について、イェッター氏は「5月の社長就任から、IBMが顧客企業に身近な存在となるよう、例えば、基礎研究所を大和から都心に移設するなどの取り組みを進めている。これから東京以外の地域でも顧客やパートナーとの関係を強化したい。全国にある多くの企業がグローバル化を志向する中で、顧客企業の近くで新たなビジネスの創出につながるIBMのグローバルリソースを提供する」と説明した。

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