クラウド活用は次のフェーズに ヴイエムウェアが注目する3つの領域

ヴイエムウェアが2013年度の事業戦略を発表。顧客のクラウド利用が進みつつあることを背景に、「プライベート/ハイブリッドクラウド」「エンドユーザーコンピューティング」「Software-Defined Data Center」の3領域に注力していくという。

» 2013年01月29日 17時34分 公開
[ITmedia]
photo 三木社長

 ヴイエムウェアは1月29日、2013年度の事業戦略を発表した。三木泰雄社長は2012年の事業環境について「クラウドの利用が加速した1年だった」と総括。これを踏まえ、2013年度は「プライベート/ハイブリッドクラウド」「エンドユーザーコンピューティング」「Software-Defined Data Center」(ソフトウェア定義のデータセンター)の3つの事業領域に注力していくと強調した。

 三木社長は2012年を振り返り、同社の製品、顧客、パートナー戦略の全てでクラウドの存在感が高まったと説明する。特に顧客については、中堅・中小企業(SMB)市場におけるクラウドへの認知や利用が広がったほか、ハイブリッドクラウドに移行する先進的なユーザー事例も出てきたという。

photo 2012年の事業総括

 こうした市場環境の中、2013年度は「顧客のクラウド導入フェーズに合わせた支援」を拡充していく。具体的には、これから仮想化やクラウドに取り組もうとする「新規顧客」、一部システムで仮想化を導入済みで、プライベートクラウドへの移行を進めたい「既存顧客」、ハイブリッドクラウドなど新たな取り組みを進めたい「先進ユーザー」の3タイプに顧客を分類し、それぞれに適したサポートを提供するという。

photo 2013年の取り組み予定

 また、デスクトップ仮想化を中心としたエンドユーザーコンピューティングにも注力していく。三木社長によると、2012年は企業でのBYOD(Bring Your Own Device:個人所有端末の業務利用)が加速した年でもあったという。これを踏まえ、2013年度はデスクトップ仮想化技術によって「企業のPCをシンクライアント端末に置き換えるだけではなく、タブレット端末やスマートフォンを含めたモバイル端末の業務利用も促進していく」(三木社長)。

 具体的には、モバイル向け仮想化技術「VMware Horizon Mobile」などを企業に強くアピールしていく。同社はソフトバンクテレコムおよびソフトバンクモバイルと協業し、Horizon Mobileを用いたBYODの無償トライアルサービスを企業向けに提供しているが、春からはこれを正式サービスとして提供する予定という。

 さらに、データセンターを構成するサーバやストレージ、ネットワークをソフトウェアで管理できるようにするSoftware-Defined Data Centerにも注力する。具体的には、サーバ仮想化、クラウド環境向け運用管理、仮想ネットワークの構築、災害復旧などの機能を統合したパッケージ製品「VMware vCloud Suite」の提供を通じ、柔軟なクラウド環境を構築したい顧客を支援するとしている。

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