2012年のレイヤ4〜7スイッチ市場は前年比14.3%の大幅増――IDC調査

IDC Japanは、国内レイヤ4〜7スイッチ市場の2012年の実績と2017年までの予測を発表した。

» 2013年08月15日 15時32分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは8月15日、国内レイヤ4〜7スイッチ市場の2012年の実績と2017年までの予測を発表した。これによると、スマートフォンの利用拡大に伴うモバイルサービス/トラフィックの増加や企業のクラウド利用の拡大がけん引役となり、前年比14.3%増の246億7700万円となった。

 移動体通信事業者を含む通信事業者向けの売上は、市場全体を大きく上回る前年比36.2%の大幅増になった。モバイル活用重要の拡大とそれに伴うモバイルトラフィックの増大が、移動体通信事業者のレイヤ4〜7スイッチへの投資拡大をもたらした。移動体通信事業者からはサービス基盤でのサーバ負荷分散の需要が拡大し、モバイルトラフィック急増に対応すべくするために、レイヤ4〜7スイッチが持つトラフィック最適化機能などの活用用途で多数導入されたという。

 2013年以降も、モバイルアプリケーション/サービスの利用拡大とトラフィックの増加が主たるけん引役となり、同市場が拡大するとIDCでは予測している。また、スマートデバイス活用を前提とした企業アプリケーションのWeb化の進展や、サーバ負荷分散以外の機能統合による新たなレイヤ4〜7スイッチの需要創出が市場拡大に寄与するとし、2012〜2017年の同市場の年間平均成長率は8.8%に達するという。

 ネットワークのトラフィックや帯域の拡大に伴い、セキュリティおよびレイヤ4-7スイッチなどのアプリケーションネットワーキングの双方の負荷が拡大傾向にある。また、多段階のトラフィック処理がフローのボトルネックになりやすい。

 IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの草野賢一氏は、「レイヤ4〜7スイッチベンダーはセキュリティベンダーと連携し、重複する処理を排除し、相互に機能のオフロード化をし合うことで、トラフィック処理のボトルネックを減らしトラフィック処理量を削減するように努めるべきだ。セキュリティ機器との連携が今後いっそう強く求められる」とコメントしている。

国内レイヤ4〜7スイッチ市場 エンドユーザー売上額予測、2008年〜2017年(出典:IDC Japan)

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