ソーシャル展開を意識したグローバルコミュニケーション環境を構築するダイフク導入事例

「マテリアルハンドリングシステム」を手掛けるダイフクが、IBMのコラボレーションツールを活用してグローバルコミュニケーション基盤の構築を進める。同社とIBMがその取り組みを説明した。

» 2013年09月24日 15時08分 公開
[ITmedia]

 ダイフク(大阪市)がグローバルコミュニケーション環境の構築を進めている。同社と日本IBMが9月24日、ソーシャル技術を使った情報共有への取り組みについて説明した。

 ダイフクは、製造業の自動倉庫や流通業の物流センターでの保管、搬送、仕分け・ピッキング、情報システムなど多様な要素を組み合わせた「マテリアルハンドリングシステム」の企画・提案から製造、据付工事、アフターサービスまでをグローバルで手掛ける。コミュニケーション基盤として新たに「IBM Notes/Domino 9.0 Social Edition」や「IBM Sametime」「IBM Connections」を採用することになった。

ダイフク 情報システム部の田淵雅志部長

 同社情報システム部の田淵雅志部長によると、海外売上比率が50%を超える同社では国内外の拠点間や取引先とのやり取りが日常的に行われているため、コミュニケーション環境の向上を課題になっていたという。同社はこれまでメールやスケジュール、ドキュメントなどの情報共有とワークフローの基盤としてNotes/Dominoを利用しており、課題解決に向けて競合製品も検討したが、最終的にIBM製品のさらに活用していくという方針に決めた。

 「特にメールを中心とした海外のオフィスとのコミュニケーションに課題があり、モバイルへの対応ニーズが強くありました。また、日本と一部の海外拠点ではNotes/Dominoを利用していましたが、別のツールを利用する拠点もあり、日本からグローバル拠点のガバナンスやセキュリティポリシーを統一したいという思いありました」(田淵氏)

 こうしたことから、最終的にNotes/Dominoを中核に、ソーシャル技術を活用してコミュニケーションのさらなる活性化を目指すことになった。検討や導入にあたっては、同社の経営陣からもコミュニケーションの活性化を求める声が挙がったという。

 Notes/Dominoの更新プロジェクトは2013年1月にスタートし、8月に完了して本格稼働を開始。モバイル端末からNotes/Dominoでのメールを利用するために、新たに「IBM Notes Traveler」も導入している。10月からはSametimeやConnectionsのソーシャル技術を活用したコミュニケーション活性化の取り組みも本格的に始める予定。情報システム部では社内報にNotes/Dominoのリニューアルによる新たな活用方法などを10回の連載記事で社員に紹介するなど、全社規模での活用実現に向けて行動しているとのことだ。

 日本IBM ソフトウェア事業 コラボレーション・ソリューションズ事業部 ソーシャルウェア・エバンジェリストの行木陽子氏は、同社のソーシャル戦略について、「企業の中に存在する『暗黙知』を共有、活用できる仕組みの実現が目的にある」と説明する。

 企業内の情報共有の形としては、今現在の出来事を共有する「フロー型」と、将来に使う情報を共有する「ストック型」がある。前者の仕組みはソーシャルメディアのタイムラインが代表的であり、後者はWikiやブログ、ブックマークサービス、動画などがあるという。これらはモバイルやソーシャルメディアの普及によって、誰もが気軽に利用できるようになった。

 Notes/Dominoの最新版ではフローの中にストック型の情報を組み込むという仕組みを採用し、これに従来のコミュニケーションツールであるメールやグループウェアも取り込んで、多様なソースの情報をシングルビューで把握し、その場から必要なアクションを取れるようにしているという。

 「IBMとしては何年も前からこれを実践しており、どう活用するかという点でも苦労を重ねてきた。日本企業でもソーシャルを活用したいというニーズが急速に高まっており、当社の経験を提供したい」(行木氏)と話している。

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