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» 2013年10月25日 18時25分 UPDATE

NTT Communications Forum 2013 Report:グローバルでバラバラなITをいかに統合すべきか?

海外展開する日本企業において、各拠点のITシステムがバラバラになっているケースは少なくない。IDC Japanの寄藤ディレクターは、グローバルITガバナンスを実現する上でクラウドが有効だと説く。

[伏見学,ITmedia]

 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)は10月24日〜25日の日程で、IT業界向けのプライベートカンファレンス「NTT Communications Forum 2013」を開催した。

 2日目午後の特別講演では、IT調査会社のIDC JapanでITサービス/コミュニケーションズ/ユーザーサーベイグループディレクターを務める寄藤幸治氏が登壇。同社の調査結果などに基づき、企業におけるグローバルITガバナンスの重要性を訴えた。

防げぬマルチナショナルIT

IDC Japan ITサービス/コミュニケーションズ/ユーザーサーベイグループディレクターの寄藤幸治氏 IDC Japan ITサービス/コミュニケーションズ/ユーザーサーベイグループディレクターの寄藤幸治氏

 日本企業の海外進出は加速の一途をたどっているが、その進出先は移り変わりつつある。2013年4月に経済産業省が公表した「第42回 海外事業活動基本調査」によると、海外現地法人売上高ならびに海外現地法人企業数に関して、2002年度の欧米比率はそれぞれ62%、37%だったのが、2011年度には45%、28%と減少傾向にある。一方で、中国を中心としたアジア地域が台頭している。

 海外進出の本格化に伴って、企業でのIT課題も多様化している。IDC Japanが今年6月に実施した調査によると、「グローバル規模でのシステム構築」をはじめ、「グローバルでの業務プロセス標準化」や「グローバルでのITガバナンス強化」、「グローバルでのアプリ標準化」など、海外進出に伴うIT課題の多くは、標準化、ガバナンス、集約に関するものだった。「実際、グローバル展開する企業では、各拠点でITシステムがバラバラに構築、運用されているケースが少なくない」と寄藤氏は指摘する。

 なぜバラバラなIT環境になってしまうのか。その理由として、例えば、インドネシアやタイなど、進出する地域ごとに商慣習や文化などが異なるため、現地の業務プロセスに合わせてシステムを構築した方が売り上げ拡大につながりやすいという実態があるからだ。寄藤氏は「現地の業務プロセスに合わせてシステムを構築した結果、“ITのマルチナショナル化”が進んでしまう。程度の差はあれど、どの企業にも起こることだ」と述べる。

クラウドでITガバナンスを強化せよ

 こうした状況を解決する手段が「クラウド」だという。プライベートクラウドの利用促進要因について、IDC Japanの調査によると、「総合的にコスト削減効果が把握可能」「運用管理の効率化が把握可能」「IT資産に対する投資対効果が把握」「リソースの効率的な活用が把握可能」など、ITガバナンスの強化につながる点に企業の期待がある。「グローバルITを実現する上でクラウドは最良な選択肢の1つといえよう」と寄藤氏は話す。

 一方で、グローバルITを実現したくても、それができない企業が存在するのも事実。その原因を集約すると「業務プロセス変更への抵抗」「効果が不明確」という2点になるという。これらに対してもクラウドは有効だと寄藤氏。

「業務プロセスに変更を及ぼさないためには、アプリケーションとインフラストラクチャを分離し、まずはクラウドでインフラ基盤を統合すべき。また、スモールスタートで段階的に具体的な成果を出していくことがクラウドでは可能」(寄藤氏)

 「クラウドによって成果を“見える化”し、ITのさらなる集約、統合、標準化へのインセンティブとすべきだ」と寄藤氏は力を込めた。

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