インタビュー
» 2014年07月15日 11時45分 UPDATE

日本には日本に合った在宅勤務方法がある〜田澤氏:日立、VDIソリューションをコンサルティングと融合させ全面強化

[大津 心,ITmedia]

 日立製作所は7月15日、日立コンサルティングやテレワークマネジメントと協業し、同社のVDIソリューションを大幅に強化すると発表した。同社は、昨年末に「Hitachi unified client experience platform(日立ユニファイドクライアントエクスペリエンスプラットフォーム)」の提供を開始したが、これをさらに強化し、株式会社テレワークマネジメントとの共同コンサルティングや新ソリューションの提供を行う。同社では、2015年度に関連領域で1200億円の売り上げを目指す。

就労人口減少の時代には在宅勤務の活用がより重要になる

板橋氏写真 日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 事業統括本部 プラットフォーム販売推進本部 ソリューションビジネス統括部 主管技師 板橋正文氏

 日立は、自身が10年前よりグループ社員約9万人を対象にVDIシステムを構築・運用してきた実績を持つ。この自らの知見を活かし、グループ企業を挙げて2013年12月に提供を開始したのが「日立ユニファイドクライアントエクスペリエンスプラットフォーム」だ。従来は、VDIシステムなど、クライアントITインフラ環境を中心としたコンサルティング活動やソリューションが中心だった。

 他方で、「VDIを導入したものの、在宅勤務が普及しない」や「在宅勤務向けにどうゆう仕事を作ればいいのか?」といった担当者の悩みも後を絶たない。アベノミクスの「日本再興戦略」にも、「働き方の改革」や「女性の活躍強化」が含まれており、企業における新しい働き方の創出は、非常に重要な問題になってきている。

 このような状況を受けて、日立は「Hitachi unified client experience platform」をさらに強化。コンサルティング面では、主にITインフラについてのコンサルティングを行う「クライアント環境構想策定コンサルティング」に加えて、働き方改革などを提言する「フレキシブルワークコンサルティング」を新設した。また、ITソリューションとして、離れて働くチームを支援する「フレキシブルコミュニケーション」を加えた。

フレキシブルワークコンサルティングとフレキシブルコミュニケーションの概念図 フレキシブルワークコンサルティングとフレキシブルコミュニケーションの概念図

 日立製作所 情報・通信システム社 ITプラットフォーム事業本部 事業統括本部 プラットフォーム販売推進本部 ソリューションビジネス統括部 主管技師 板橋正文氏は、「少子化などによって、日本の労働人口は減少の一途だ。労働人口が減るということは、従来のように『辞めても新しい人を補充できる』という考えが通用しなくなることに気付くべきだ。企業はさまざまな働き方を用意し、コストをかけて育てた人材を長く活用することが重要になってくる。そのためには、モバイルワークや在宅勤務など、新しい働き方の選択肢を用意することが大事だ。ただ、実情はまだまだこれらの新しい働き方に対する理解が低い。これら新しい働き方への意識を企業トップはもちろんのこと、企業文化レベルで変えていく必要がある。そのために、今回はソリューション導入だけでなく、上流やトップレベルに対するコンサルティングの必要性を感じ、長年にわたってここを手掛けるテレワークマネジメントの田澤氏と手を組むことにした」と今回のソリューション強化に至る背景を説明した。

日本には日本に合った、日本型の在宅勤務制度や手法がふさわしい

田澤氏写真 テレワークマネジメント 代表取締役 田澤由利氏

 今回、日立とともにコンサルティング活動を行うテレワークマネジメント 代表取締役 田澤由利氏は、「いわゆる“テレワーク”は誤解されている。『テレワーク(Telework/遠隔地業務)』は、それをやるために何か特別な仕事を作ったりする必要はない。“従来やっていた仕事を、そのまま家や外でもできるようにする”という点がポイントだ。従って、原則的に新しい人事や評価の制度を作る必要は基本的にないのだ。テレワークを誤解し、新しい働き方に対する制度などを新たに作ろうとするから、敷居が高くなってしまっている部分がある」と指摘する。

 テレワークで重要なことは、「働く場所を自由にする」や「時間の使い方を自由にする」という一般的な考え方に加えて、最も重要なことは「時間当たりの生産性を最大限にする」という点にあると田澤氏は強く強調する。

 「日本は成果型でなく、時間型労働が9割と言われている。また、真面目な性格の人が多く、在宅勤務できちんと働いていても『サボっていると思われたらどうしよう?』という、サボり恐怖ストレスが出てきてしまうほどだ。このような日本の国民性も配慮して、日本のテレワークでは、自由ではなくきちんとしたマネジメントが一番重要だと感じており、そのためのソリューションを用意した。それが『F-Chair』だ」(田澤氏)

 F-Chairは、テレワークマネジメントが自社で実際に使っている管理ツールで、利用者は在宅勤務(テレワーク)開始時に、「着席」ボタンを押し、中座や仕事を終える際には「退席」を押す、というアプリケーション。特徴的なのは、この着席している間は、一定期間置きに画面キャプチャ―を撮り、それを上司が閲覧可能だ、という点だ。在宅勤務者は、常に見られている緊張感の中、仕事に取り組めるし、上司は監視画面より、簡単に何をしているか把握できる。

 この製品について田澤氏は、「この製品を導入してから、上司もマネジメントしやすくなったし、在宅勤務者も疑われる心配がなくなったので、モチベーションが上がったと言う。すでに3年間使っており、非常に有効だと感じている。日本には日本に合った、日本型の在宅勤務制度や手法がふさわしい」とコメントした。

 日立とテレワークマネジメントでは、共にコンサルティング活動を行っていくほか、トップへの啓蒙活動や企業文化変革などへのアプローチも共に行っていくという。

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