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» 2015年09月18日 07時00分 UPDATE

女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記:ドMなヘルプデスクには天職? プロマネは利害調整の苦労人 (1/3)

そろそろPMBOKの勉強も終盤にさしかかってきた今回のテーマはステークホルダーの管理。利害関係者を整理してみると反対勢力も……。そこをなだめるのって、めちゃくちゃ難しくないか?

[鐙貴絵,ITmedia]

これまでのあらすじは

 会社でヘルプデスクを担当する私が、ある日突然、在宅ヘルプデスク部門開設プロジェクトのマネジャーに任命されてしまったから、さぁ大変。鬱憤晴らしで飲みに出かけたら、今度は勢いでPMBOK(ピンボック)とやらを勉強するハメに……。しかもしかも! いつの間にかPMP(Project Management Professional)の資格試験を受けることになっている……。私は在宅ヘルプデスク業務のプロジェクトを成功に導けるのか? PMPの試験に合格できるのか? いや、そもそも、受験できるのか?


わたし さてっと。PMPの試験勉強も佳境に入ってきたなぁ……。前回は「プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント」をやったから、次の章は……、「プロジェクト・リスク・マネジメント」ね。そして、そのあとが「プロジェクト調達マネジメント」で、「プロジェクト・ステークホルダー・マネジメント」と続くのか。んー。

 そういえば先日、Aさんから「3つの章を比べながら学習するといい」ってアドバイスをもらったよなぁ。

わたし リスク、調達、ステークホルダー……。比べるにしたって、こうも離れているとねぇ。

 元来、私の学習スタイルは、「とにかく参考書を第1章から順番に進める」というものだ。しかも、分からないところがあると、やたら気になって「そこから先に進めない」という妙な癖がある。

 時には先に進むことで、分からなかったところが“分かることもある”――ということも、頭では分かっているのに。もっとも、分かっていたつもりでも、先を読み進めることによって分からなくなることもある。分からないことをそのままにして先に進むと余計に分からなくなることもあって、あれ?この文章そのものが、分かっているのか分かってないのか分からなくなってきた(早口言葉?!)。

 PMBOKの勉強にしたって、「何も最初から順番にやる必要はない」と、頭では分かっているんだけど……。章を飛ばすのはなんかイヤ、というか……すっきり? しない。もしかして、私だけかな。

 今回は、あえて先に「ステークホルダーの章」をやってしまおう。せっかくのAさんのアドバイスだ。あの人のことだから、分かりやすいようにアドバイスしてくれたに違いない。いや、もしかして何かワナが隠れているのかも……。

 プロジェクト・ステークホルダー・マネジメントは、参考書ではほぼ最後の章だ。ページを開きかけて、ふっと思い出したことがある。

 プロジェクト憲章を作るときに、「今は分からなくていいから、『ステークホルダー特定』を行って、ステークホルダー登録簿を作っておいてね」ってAさんから言われていた。で、たしか、そのステークホルダー登録簿を、右も左も分からないまま作ったはず……。

Photo

「ステークホルダー登録簿」の役割は

 そもそも、「ステークホルダー登録簿」という言葉自身、なじみがない。「簿」という言葉で思い出すのは、通信簿とか、帳簿とか、それぐらいだ。ステークホルダーの一覧表を作ればいいのよねー、とばかりに、今回のプロジェクトの利害関係者をただ列挙して提出したのだが、Aさんから修正をするように言われて、何度も直した記憶がある。結局、あの時はどうして修正が必要なのか分からなかったけど。

 「ステークホルダー特定」プロセスでは、今回の「在宅ヘルプデスク業務開設プロジェクト」に対して、ありとあらゆる影響を与える人(グループ、組織)、逆にプロジェクトから影響を受ける人を洗い出す。この洗い出した人たちがいわゆるステークホルダー、利害関係者で、この人たちの利害関係や関与度、相互依存関係、プロジェクト成功への潜在的影響に関して分析し、文書化する。この文書化したものが、ステークホルダー登録簿だ。

 そういえば、ステークホルダー登録簿は「コミュニケーション・マネジメント計画書作成」プロセスのインプットとして使ったっけ。誰とどのようなコミュニケーションをとるかを計画するためには、どのような立場の人がどの程度いるかが分かっている必要があるからね。

 もう一度、ステークホルダー登録簿をしげしげと眺めてみる。それにしても、ステークホルダーって多いなぁ。私が想像していたよりも、かなり多い。

 PMBOK全体が意識しているのは、どうやら“ステークホルダーと良好な関係を築く”ということのような気がする。参考書にも、それが「プロジェクトを成功させる重要な要因」って書いてあるし。

わたし 確かに、ステークホルダーの中には、プロジェクトやプロジェクトの成果に前向きでない……どちらかというと反対の人もいるよね。プロジェクトが成果を上げることで、「仕事が楽になって良い」と思う人もいれば、「私たちの仕事が減り、居場所がなくなる」とか「残業が減って、残業代がもらえなくなる」と思う人もいる。「業務の流れが変わるのがイヤ」という人もいるだろうし。

 それでもまだ、プロジェクト・マネジャーに面と向かって異を唱える人だったらいいけど、陰で文句を言うだけだったり、プロジェクトの成果に対してただ愚痴をこぼすだけだったりする人は始末に悪い。こういう人が活躍(?)すると、ネガティブ・キャンペーンだけが独り歩きして、プロジェクトの改善すべき一面に前向きに対処しよう、という空気がなくなってくる。

 それに、プロジェクトが進むと、関係が薄くなってくるステークホルダーもいれば、逆に少しずつ関係が重要になってくるステークホルダーもいる。何かと忙しいプロジェクト・マネジャーとしては、人の関係がどのように推移するのかを知っておくことが重要だ。

 そのために、プロジェクトが始まる直前にどのような人たちがプロジェクトにかかわり、どの段階でどのような期待や影響を持っているかなどを分析する「ステークホルダー特定」が必要、というわけね。

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