プロジェクトが始まらない? 計画地獄にハマるわたし女子ヘルプデスクのプロマネ修行奮戦記(1/3 ページ)

PMBOK(ぴんぼっく)でプロジェクト・スコープ・マネジメントを勉強していたら、私の脳みそが急ブレーキで停止した。計画をするための計画?? それってヘンじゃない? まるで開けても開けても出てくるロシアの民芸人形みたいな……。

» 2015年06月12日 08時00分 公開
[鐙貴絵ITmedia]

これまでのあらすじは

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 会社でヘルプデスクを担当する私が、ある日突然、在宅ヘルプデスク部門開設プロジェクトのマネジャーに任命されてしまったから、さぁ大変。鬱憤晴らしで飲みに出かけたら、今度は勢いでPMBOK(ピンボック)とやらを勉強するハメに……。しかもしかも! いつの間にかPMP(Project Management Professional)の資格試験を受けることになっている……。私は在宅ヘルプデスク業務のプロジェクトを成功に導けるのか? PMPの試験に合格できるのか? いや、そもそも、受験できるのか?


 仕事の帰り道。今日はなんだか、まっすぐ家に帰る気になれない。たまにこういう時があるのよね。いつもなら、洗濯物が溜まってるなぁ、とか、雑誌の回収に備えて荷造りしなきゃ、とか、帰りたくない理由が1つぐらいはあるんだけど、なぜか今日は「なんとなく帰る気になれない」のだ。あぁー、猫が待っているというのに。


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 仕方なく、会社近くのコーヒー専門店に立ち寄ることにした。お気に入りのコーヒーを飲みつつ、PMBOK(ぴんぼっく)の資料を開く。おお、家には帰りたくないのに、ちゃんと勉強の本は開くことができるなんて!

 さてさて、次の章は「プロジェクト・スコープ・マネジメント」だ。

 ん? あれれ? これ、ちょっとヘンじゃない? さっきまで勉強していた「プロジェクト統合マネジメント」は、タイトルの中に“・”(中黒:なかぐろ)がないのに、「プロジェクト・スコープ・マネジメント」には“・”が2つも入っているじゃない。

 ふつう、こういうのって表現を統一することが多い。こんな細かいところが気になる私って、やっぱりヘン? とはいえ、気になるものは気になるのよね。考えるよりも先に、私の手は参考書の目次をめくっていた。すると……各章のタイトルには、“・”があるものとないものが入り混じっている。

 眺めていると、どうやら一定の規則があるらしいことが分かってきた。「プロジェクト」に続く単語がカタカナの場合は“・”がある。一方、「プロジェクト」の後ろが漢字だと“・”がない。荷物の中からiPad――ああ、そういえばこいつにもドラマが――を引っ張り出して早速検索してみると……。

 どうやらカタカナ表記の規約には、いろいろなものがあるらしい。例えばマイクロソフトは「オペレーティング システム」というふうに単語の間に半角アキを入れているし、IBMは「オペレーティング・システム」というふうに単語の間に“・”を入れている。Wikipediaでの表記は「オペレーティングシステム」で、アキも“・”もない。

 そうこうしているうちに、こんな表記規約があることも分かった。

  1. カタカナ用語とカタカナ用語が連なる時は“・”を置く
  2. カタカナ用語と漢字が連なる時は“・”を置かない
  3. カタカナ用語が連続する場合でも、「すでにその連語が十分に普及している」と思われる場合(例:プロジェクトマネジメント)は“・”を置かない

 どうやら、PMBOKはこの規約に準拠しているみたい。

 たしかにカタカナが続くと読みにくいし、変なところで切ってしまうとかえって意味が分からなくなりそう。“・”を使って分かりやすく、誤解がないようにしているということか。

 あぁぁ……、相変わらず寄り道(道草?)が多くて勉強が進まない。

 さて、と。「寄り道の前って何してたっけ?」と、路線を元に戻すのも大変。私の頭の中、きっとスタックがないんだわ。えーと……、次の章は、そうそう「プロジェクト・スコープ・マネジメント」だった。

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