毎週3分、情シスドリル コレ1枚で分かる「スマートマシン」即席!3分で分かるITトレンド

人工知能の発達によって登場した“スマートマシン”とは? そして、それは私たちの生活にどのように浸透してきているのでしょうか。

» 2015年09月25日 08時00分 公開

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! 今さら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


機械の自律化

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 スマートマシンとは何でしょうか。米調査会社Gartnerは、2013年に発表したリポートで、「スマートマシンとは自律的に行動し、知能と自己学習機能を備え、状況に応じて自らが判断して適応し、これまで人間にしかできないと思われていた作業を実行する電子機械」と定義しました。そして、同時に「スマートマシンは、ITの歴史の中で最も破壊的なものとなるだろう」とも述べています。これまでの人間とITの関わり方を大きく変えてしまう可能性を秘めているといってもいいでしょう。

 例えば、オンラインショップで商品を購入すると、人工知能が最短の配送経路を見つけ、荷物を運んでくれる自律走行車や無人ヘリコプター。投げた質問に答えてくれる音声アシスタント。医療診断や法律解釈を助けてくれるアドバイザー。工場での組み立て作業を人間に代わりこなしてくれるロボットなど、幅広い分野で実用化が進んでいます。

 これまでは、決められたやり方を決められた通りにこなす“自動化”への取り組みが主流で、自ら学習してルールを作り、状況を理解し、最適な方法を選択して実行する“自律化”は夢の話でした。それが今や、「自動」から「自律」へ進化し、「自ら判断し行動する機械=スマートマシン」が実現しつつあるのです。

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 スマートマシンは自然言語処理や機械学習といった人工知能、知識の源泉となる膨大なデータを蓄積・処理するクラウド、状況を把握するセンサーや人間とのやりとりをするデバイスなど、幅広い技術が使われてることによって実現されようとしています。

 一方で、作業の自動化によって単純労働者の雇用が奪われたように、スマートマシンがより高度な知的労働者の雇用も奪うのではないかと懸念する声も聞かれます。しかし、このような変化の潮流にあらがうことはできません。私たちはスマートマシンとうまく付き合い、使いこなす術を身につけていく必要があるでしょう。

著者プロフィル:斎藤昌義

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 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィルはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤリティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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