国内最速スパコン「Oakforest-PACS」が始動――理論演算性能25PFLOPS

東大と筑波大が運営する共同HPC基盤施設で、富士通の「PRIMERGY CX600 M1」で構成されたスパコン「Oakforest-PACS」が稼働を開始した。

» 2016年12月02日 08時00分 公開
[ITmedia]

 富士通は12月1日、東京大学と筑波大学が共同で運営する最先端共同HPC基盤施設(JCAHPC)のスーパーコンピュータ「Oakforest-PACS(オークフォレストパックス)」の構築を完了し、同日より稼働を開始したことを発表した。

 Oakforest-PACSは、富士通のPCサーバ「FUJITSU Server PRIMERGY CX600 M1」で構成され、計算ノードに「インテルXeon Phiプロセッサー」を搭載した「PRIMERGY CX600 M1」を8208ノード使用。総理論演算性能は25ペタフロップス(PFLOPS)に達するという。

 「Oakforest-PACS」のスペックは下記の通り。

計算ノード 計算ノード数 8208ノード
ピーク性能 25PFLOPS
総主記憶容量 897テラバイト(TB)
インターコネクト インテルOmni-Path
ファイルキャッシュシステム 容量 940テラバイト(TB)
性能 1560ギガバイト(GB)/sec
並列ファイルシステム 容量 26.2ペタバイト(PB)(RAID6)
性能 500ギガバイト(GB)/sec
※ファイルキャッシュシステムと並列ファイルシステムの容量表記は、1ペタバイトは10の15乗バイト、1テラバイトは10の12乗バイト、1ギガバイトは10の9乗バイトの換算値。

 Oakforest-PACSは、富士通と富士通研究所の大規模HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)向け高速化技術によりシステムの性能を最大限に引き出すことができ、11月に発表されたスーパーコンピュータ性能を示すLINPACK測定のランキング「TOP500リスト」では13.55PFLOPSを記録し、国内第1位・世界第6位を達成。「京」コンピュータ(同7位)を上回り、国内最高性能システムとして登録された。ピーク性能は25PFLOPSで「京」コンピュータの約2.2倍だという。

 また、実際のアプリケーションに近い性能指標として知られる「HPCGランキング」では385.5テラフロップス(TFLOPS)を記録し、世界第3位を獲得している。

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